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<四条木屋町・村上重本店前の路地>線描の描き方

四条木屋町・村上重本店前の路地 318×410㎜
京都村上重本店前路地(線描)(縮小)

今回は <四条木屋町・村上重本店前の路地>を取り上げます。
これまでと同様、各項目別に解説します。

(1)なぜこの場所を選んだのか? 
 村上重本店は、前回とりあげたカフェフランソアの路地の奥に
あり、多くの写真愛好家がその雰囲気を愛して集う場所です。
 通常ならば、村上重本店そのものを描くのが普通ですが、ふと
横を見ると、昭和30年~40年代の古いバーやお店のレトロ感が良
い感じなのを見つけました。
 そこで、正攻法の村上重本店正面を描くのではなく、右端に入
れつつ正面に昭和レトロのお店を正面に描くことにしました。

(2)どこから描き始めたのか?
  線描は、現場で下描きをしないで直接描きます。この場合は、
中心の電柱から描き始めました。これにより、右の村上重本店
の姿、昭和レトロのお店の左側の建物のイメージが決まります。
 電柱を描いたのち、右側の村上重本店の一階の屋根、2階の
屋根の線を引きます。それぞれ、引き始めの点は、電柱の位置
に対してどの位置かを目測して決定します。身体、腕全体で線
を引くので、結果として、屋根の線は直線ではなく、曲線になり
ました。
 次に、遠近法を頭に入れて、線を引くために、自分の目の高さ
の水平線と自分が立っている場所、ここでは電柱の位置に垂直
線を想定します。交わった点が消失点となります。
 そのあと、2階、1階の縦の線を描き、1階の土台を描き、窓
を描いて村上重本店の線描を完成します。2階の線、1階の線の角
度は、上記消失点を意識して遠近法を意識して角度を決めます。
 次に電柱背後、正面の昭和レトロのお店を線描します。線描を
始める点は、電柱との関係で決めます。
 左手前の和風の塀の建物を描いたのち、昭和レトロの左隣の建
物を描きました。

(3)建物はどのように描いたらよいか
 右側の和風建築の線描で描くのが難しいのは、2階屋根の軒下の
木組みと、木製の格子戸です。軒下の木組みについては、左下に
突き出ている木の角棒を立体的に見えるよう線描していきます。
 正面の昭和レトロ建築は、正面描きなので、見えるままに描きま
す。
 昭和レトロ建築の左の建物は、建物の側面が見えるのと、左方向
に路地が続いているので、遠近法を利用して描かなければなりませ
ん。
 すなわち、建物正面から奥の昭和レトロ建築へ向かう、一階、二
階の側面の線と、左側の路地の奥に向かう建物の輪郭です。

(4)人物はどのように描くのか?
 路地を行きかう人物、前回同様観光客がメインです。奥の路地を
行きかうカップルは、その場で、手前に歩いてくる女性は写真を撮
って後から描きました。

 これらの人物を描いた後で、正面の昭和レトロ建物の1階部分と、
路地のタイルを描きました。

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TAG : 都市スケッチ 下描きなし お店スケッチ 京都

作品解説(3):<四条木屋町カフェフランソア前の道路>透明水彩による彩色の方法

解説(2)では、この表題の線描方法を紹介しました。今回、引き続き
この線描を透明水彩絵の具で、どのように塗ったかを解説します。
(彩色作品を以下に示します。)

<四条木屋町カフェフランソア前の道路> アルシュ 全紙 
四条木屋町カフェフランソワ前の路(彩色)(修正)(縮小)

この作品の彩色を開設する前に、水性顔料、耐水性サインペンで
彩色するときの共通の彩色方法を以下にまとめます。

1)どこから塗り始めたらよいか。
   ルールはありませんが、一般に広い面積の場所から塗ると、
  作品全体の仕上がった彩色をイメージしやすい。なお、最初は
  薄めに塗っておく。その理由は、その部分だけ最終仕上げの
  濃さにすると、他の部分もそれに対応した濃さにしなければな
  らず、自分が思っていたのと異なる場合に修正ができなくなる
  からです。

2)どのような色を塗るのか
   線描さえしっかり描写されていれば、極端に言えば、何色を
  塗っても構いません。実物の色そっくりに塗ろうとしがちですが、
  そっくりではなく、自分が心地よいと思う好きな色を選ぶ方が作
  者自身の特徴が出やすくなります。 赤なら赤、緑なら緑でも無
  限の色調があります。描いているうちに、自分が好きな色がわ
  かってきます。それを覚えて次の絵にも使うようにするとよいと
  思います。

3)パレットで絵の具をどの程度溶かしたらよいか。
   パレット上に多めに水をのせ、その上から筆に絵の具を付け
  溶かします。その際、ホーロー製やプラスティックのパレットの
  白が見えなくなる程度に溶かし込みます。
   水の量が少ないと、紙に浸透せず絵の具が紙の上に乗り、
  透明感が失われ、透明水彩絵の具のみずみずしさ、透明感、
  明るさが失われます。

3)好みの色はどのように作るのか。混色してよいのか。
   結論は、混色は可能な限り避けるです。通常の透明水彩
  では、パレット上で混色して好みの色を作ったのち、彩色しま
  す。しかし、その場合、明度が失われ、絵が暗くなったり、時に
  は黒に近くなってしまいます。ペン(線)スケッチの場合は、で
  きるだけパレット上での混色はさけ、塗り重ね方法による彩色
  をします。
   すなわち、一回紙の上で彩色して一旦乾かします。(ドライヤ
  ーを使用) その上から、異なる色を塗ると、暗くならずに色を
  混ぜることができます。このようにすることで、絵全体が透明で
  明るく鮮やかなな画面が出来上がります。

4)どのようにして塗るか
   線をはみ出さずに塗るために最初は線の内側を塗ってから内
  部を塗る順番を繰り返すとよいでしょう。

以上の共通の塗り方をベースに、本作品の具体的な彩色の経過を
解説します。

(1)桜の幹、枝の彩色
   樹木の幹の色は一般に茶色と考えますが、実物の樹木は色ん
  な色を持っています。ここでは、黄色を一度下地に塗り、黄土色
  (イエローオーカー)、茶色を薄く塗り重ねました。特に、幹に

  平行に走る模様を濃く塗ります。さらに全体に緑色を塗り重ねま
  した。
   さらに、桜の木の場合赤い色素があるので、赤紫を茶色の部分、
  枝の一部を最後に塗っています。

(5)サツキ(つつじ?)の植栽。
   一度、黄色(カドミウムイエロー)の下地を塗ってから、緑を
  塗り重ねます。光の当たっている上部は、若草色に、中間は緑、
  さらに陰になる部分は、青または青緑色(ビリジャン)で表します。

(6)建物の壁
   実物の日本の建物やビルの色は原色をほとんど使わないので、難し
  く感じます。ベージュ色を基調に、実物の色と僅かに異なる色で塗り
  分けるか、影の部分を強調することで印象を強めることができます。
   また、建物親ビルの場合、影を強くつけることで立体感が強調され
  ます。

(7)道路のタイル
   道路の多くは、アスファルトが多く、また昔のタイル舗装の場合、
  コンクリートのようなくすんだ灰色であることが多いので、私の場合
  は、グレーを避けていろんな色を塗っています。この場合はビリジャ
  ンの色を使いました。手前を濃く、遠くを薄く(明るく)して遠近感
  を出しています。

(8)空
   ここでは詳しく述べませんが、雲の下の部分を赤紫で陰をつけてい
  ます。

(9)人物
   最近、日本人の服装(特に冬)は、黒一色で、絵画的には見栄えが
  しません。今回、外国人観光客、特に韓国の人々の服装を思い切って
  原色、明るい色にしました。(本当の色よりも強い色に塗っています。)

(10)陰影
   建物や電柱、幹、服装などは陰をつけて立体感を付けましたが、人
  物の影は描いていません。あくまで、それは江戸浮世絵の雰囲気を出
  したいという私の方針なので、真夏の太陽の下なので、影をつけたほ
  うが表現できる場合は、影を描いたほうが効果的になります。
    

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TAG : 京都 近代建築 都市スケッチ ペンスケッチ 透明水彩

06/19のツイートまとめ

wataei172

作品解説(2):<四条木屋町カフェフランソア前の道路>線描の描き方 https://t.co/pR8KJATiP0#ペンスケッチ #線画 #描き方 #pendrawing #howtodraw #kyoto #modernarchitecture #近代建築 #cafe #京都
06-19 01:15

作品解説(2):<四条木屋町カフェフランソア前の道路>線描の描き方

作品解説の2番目に全紙 <四条木屋町カフェフランソワ前の道路>
を取り上げます。
前回の神戸の作品と同様、数年前に描いたので、描いた順番は少し
うろ覚えです。私がいつも描いている順番を思い出しながら書いて
みます。

(1)なぜこの場所を選んだのか?
  人にもよりますが、おおむね男性は、建築物や構造物を好んで
描く人が多いようです。特に、歴史と郷愁を感じさせる近代建築
私は惹かれます。
  スケッチの対象として、京都は寺社建築や町屋に焦点が当たる
ことが多いのですが、実は洋館やビルなどの近代建築の宝庫でもあ
ります。私の場合、街を歩き回っていて、何気なくたたずんでいる
無名の戦前の建物に出会うと描いてみたくな
ります。
 今回取り上げたカフェフランソアは、無名ではありませんが、こ
じんまりとした雰囲気のある戦前の建物です。四条木屋町の路地に
あり、多くの観光客が行きかうところです。昔と変わらない街の風
情と、インバウンド観光客がひしめく現代との対比を描きたくてこ
の場所を選びました。

(2)どこから描き始めたのか?
  線描は、現場で下描きをしないで直接描きます。この場合は、
左手前の桜の幹と枝から描き始めました。冬(早春?)なので、幹
と枝しかありません。まず、下から上に向かって桜本体の幹の輪郭
を引きます。下から上に線を引くのは、下から上に樹木が成長する
のに合わせているからです。
 同じく、多くの枝を幹から枝先に向かって線を引きます。なお、
実物の枝の数に比べて枝の数は少なく描いています。すなわち、細
かい枝は間引いているのです。理由は、実物通りに描くと線だらけ
になり、真っ黒になってしまうからです。好みは人それぞれですの
で、どこまで描くかは描く人の判断で決めるとよいと思います。

(3)建物はどのように描いたらよいか
 左奥から中央のカフェ、右につらなる建物群が今回の主役です。
桜の樹木、サツキの植栽、桜の木の奥にある建物と電柱を描いた後、
いよいよこれらの建物群を描きます。主役のカフェフランソアの建物
の屋根の当たり点をつけます。同じく右隣の建物の屋根の線の当たり
点をつけておきます。

 まず、カフェフランソワからです。屋根の線を左から右に向かって、
大きく腕を振って線描します。一階の境目の当たり点を付けた後、
建物の左側の線を、屋根から一階地上に向けて線を引きます。
 次に1階の境目の線を屋根と同様に左から右へ引きます。この時に、
線遠近法を使い、屋根と一回の線は平行線ではなく、右側が開くよう
に描きます。
 次に、建物の右側の縦の線を下に向かって引きます。なお、人物の
描き方のところで説明しますが、今回の絵の場合、人物は先に描かず
後で描きいれることにします。ですから。一階の部分はすぐに描かず、
人物を描いてからにします。右隣りの建物もカフェと同じように2階
部分を描いておきます。
 このあと、カフェフランソアの左隣の建物、左奥の建物と描きます。
(建物の窓、装飾、
などの描き方は省略します。)
 最後に、カフェの建物の背後に見えるビルを描いて主要な建物を描
き終わります。

(4)遠近法を使ってどのように理解して描いたらよいか?
(この絵の場合は、建物の屋根、一階の酒井の横線、建物前の道路、
歩道の敷石など)
 線を引き始める前に、自分の目線の水平線と、立ち位置を含む縦の
直線を思い浮かべます。それぞれの線に対する角度と位置を推定して、
まよわず線を引きます。」
 この絵ではカフェ及び右隣の建物の2階の屋根および一階の酒井の
横線を遠近法を意識して線を引いています。しかしながら。厳密に線
遠近法を用いるのなら、この絵のように凸の曲線にはならず、まっす
ぐな線が放射状になるはずです。(3)で述べたように、腕を大きく
動かし、また顔を左から右へ回転させて描いたので、凸の曲線になっ
ているのです。

さらに、建物の縦の線はまったく遠近法に従っていません。もし写真
を写せば、建物の縦の線は、空の一点に向かって、狭まっていくはず
です。ところが、この絵では、描いている本人の位置から左側の縦線
は、左に倒れ、右側の縦の線は右側に倒れて、むしろ天に向かって広
がっています。その様子は、ビルの縦の線で顕著です。

理由は、現場で実際に左の建物を描くときは、左側に顔を向け、右側
の建物を描くときは顔を右側に向けて描くからです。

(5)樹木の葉はどのように描いているのか?
 この絵では、左手前のサツキの植栽しか葉はありません。サツキの
葉の特徴をよく頭に入れて、描きこみます。同じ葉を繰り返し描くの
でよく見ないで反復して描きがちです。スタンプを押したようにな不
自然さを感じさせないよう、現場で観察しながら細部を描きます。

(5)人物はどのように描くのか?
 さて、この絵では、道路を行きかう人物像は、今現在の京都を表す
うえで、大事な役割を演じています。写真を撮っている二人の女性、
左に向かって歩いているカップルは、典型的な韓国人旅行者です。同
じ木、着物姿の女性も観光客です。一方、戦前の和服姿の商家の若旦
那(と推定)も、若い人に和服の人気が出てきた現代の日本を感じさ
せます。

これらの人物のうち、現場で描いたのは、遠くの人物と写真を撮りあ
っている韓国人女性観光客です。一方、韓国人カップルや和服の若旦
那は、カメラで行きかう人を写真に撮った中から選びました。いかに
も現代の京都を表す人を選んだわけです。

これらの人物を描いた後で、建物の1階部分を描きます。最後に、歩道
を描いて完成です。
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アルシュ 全紙 四条木屋町カフェフランソア前の道路(線描)
四条木屋町カフェフランソワ前の路(線描)(縮小)

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