屋根を作らずにはいられない: 京阪神中高層ビル景観事情(3)

もともと、ビルを発注する立場からは、建築費を抑える心理が
働くはずです。しかるに、このような複雑な形状にする目的は
何なのでしょうか。
よほど深い文化的背景があるに違いありません。
その理由を探る前に、以下、例示を示します。

(1) まず神戸地区です。神戸中くまなく歩いたわけではありませ
      んが、歩く端から見つけることができます。また、三宮から
      大阪に向かう車窓から、いくらでも見つけることができるので、
      撮影してみました。

1) 三角屋根の中高層ビル
神戸 神戸2 神戸3神戸5 神戸6

     神戸7 神戸8 神戸10

      神戸12 神戸13 神戸14

2) 丸屋根の中高層ビル

                        神戸4

3) ビル屋上の上の家屋

             神戸9 神戸11
(続く)


<本日の絵>
マイブック 人物スケッチ(阪急神戸線)
人物スケッチ(阪急神戸線)(縮小)052
社内のつり広告を幾度も眺めていた男性。回数が多かったので
上を見上げるこれまでにない電車スケッチの人物像になりました。

テーマ : art・芸術・美術 - ジャンル : 学問・文化・芸術

TAG : 人物スケッチ

屋根を作らずにはいられない: 京阪神中高層ビル景観事情(2)

前回の記事では、高槻市駅前の通りのビルのみから、
そのユニークさを指摘したのですが、今回 は、大阪、
神戸(一部、奈良)を中心にビルの景観を調べてみました。

最初に結論をまとめます。(例示の写真は後でまとめて
示します。)

(1) 実際には、5階建て以上、15、6階建て位いのすべて
     がユニークではありません。もしかしたら、せいぜい
     2-3割かもしれないのですが、東京のシンプルなビ
    ルの屋上の景観に慣れたものにとっては、最初は衝
     撃的にすら感じます。

(2) 具体的には、建物の上部全体が、急こう配の大屋根
      の形状になります。時には、大屋根だけでなく、側面
      に折り重なるように、屋根が重なります。まるで、天守
      閣の破風が折り重なるように。

(3) 一方、割合は少ないですが、全体がアールのついた
     屋根も見られます。もちろん、丸屋根が重なりあった
     重層構造もあります。

     ちなみに、東京の場合は、アールをつけるのは屋根では
     なく、壁面全体につけるようです。

(4) 屋上の形状が平らで、全体が屋根ではなくても、屋上に
     あるエレベーターの機械小屋にも三角屋根を付けます。
     (本来は直法体ですみます。東京ではほとんど立方体が
     乗っているだけです。)

(5)さらにすすめて、平らな屋上に、ビルのデザイン、材料と
     はまったく異質な屋根付き小屋が乗っているのも多く見ら
     れます。ビル本体の設計には無関係なので、設計士はさ
     ぞかし複雑な気持ちをいだくと思うのですが・・・。

     台湾の台北に行ったときに、ビルのほとんどの屋上に家
     が乗 っているのをみて、あっ 大阪だと感じたことがありま
     す。
     (大阪が東南アジアと共通点があるとどこかで読んだことが
       ありますが、これもそうかもしれません。)

     しかし、プレハブのような小屋が乗っているのは、昔のことだ
     と思ったら、最近ではなんと立派な一軒家が載っているので
     す。もちろん、ビルのデザインとはまったく無関係の建材を
     用いています。

なお、今回は15階建てまでの中高層ビルに限定しましたが、神
戸などでは、20階建て前後の高層ビルといえるものまで、三角
屋根がみられますので、ビルは四角いものだという思い込みで
いるものにとって、なかなか受け入れられない気持ちがわいてき
ます。
 (続く)

<本日の絵>
マイブック 人物スケッチ(阪急神戸線)
人物スケッチ(阪急神戸線)053(縮小)

テーマ : art・芸術・美術 - ジャンル : 学問・文化・芸術

TAG : 人物スケッチ

屋根を作らずにはいられない: 京阪神中高層ビル景観事情(1)

しばらく東京に行っておりました。記事を再開します。

2012年10月に「大阪のビルはユニーク?」という二つの記事
を書きました。(ココココをクリックください。)

特に、高槻市の駅前の道に立ち並ぶ、小ぶりのビルの屋根
の形状について、以下のように紹介しました。

何がユニークか、屋上をご覧あれ。せっかくの近代ビルの上に、
必ず和式の建物や屋根、かまぼこ状の建物など、どうしても
平らのままでは我慢できないかのように、屋上が複雑にデコレ
ーションされています。


そして、

そこから推しはかると大阪の他の地区でもこうではないかと思
うのです。(もちろん、きちんとした検証が必要ですが)


と、記事を終えています。

あれ以来、このことがずーと気になっていました。
ただし、軽々に結論を出してはいけないぞという気持ちもあり、
これまで記事にしてきませんでした。

一昨年末から、腰を落ち着けて京阪神の都市景観を見続けて
くると、一定のことはそれなりにいえると思えるようになりました。
(続く)

<本日の絵>
マイブック 人物スケッチ(阪急神戸線)
人物スケッチ(阪急神戸線)050(縮小)

テーマ : art・芸術・美術 - ジャンル : 学問・文化・芸術

TAG : 人物スケッチ

大阪城天守とお堀眺望

大阪のスケッチポイントについて、大阪城は外せないと
記事で書きました。その大阪城です。

紅葉が始まったお堀越しの景色が面白く、描いてみました。
(<本日の絵>)
いずれ本格的に描いてみたいと思います。

<本日の絵>
フライングタイガースケッチブック2枚続き 大阪城天守とお堀の眺望
大阪城と堀(線描)(縮小)

テーマ : art・芸術・美術 - ジャンル : 学問・文化・芸術

H28年2月度、神戸ぶらりスケッチ会(2月14日)

二月度の神戸ぶらりスケッチ会の場所は、「海外移住と文化の交流
センター」です。

当初、魔女メグさんから室内スケッチポイントとして提案された時は、
特に関心を持たず、現代の施設だと思っていました。

JR元町駅から鯉川筋を六甲山に向かって登っていき、突き当りに
これまで幾度となく見た、なじみある昭和近代建築の姿が見えてきま
した。

      海外移住・交流センター建物3 海外移住・交流センター建物2 海外移住・交流センター建物

ほとんど華美な装飾のない地味な官公庁らしい建物ですが、それで
も正面玄関は上部にユニークな飾り物を持っています。

建築念は、昭和3年とのこと、ただし、近年(2009年)、保存再整備され
ただけあって、年代を感じさせず、こざっぱりした印象です。

本来、室内のスケッチを予定していたのですが、私はこの正面を桜の
枝とともにスケッチしました。

なお、他のメンバーは、4階のスタジオ(芸術を生かした創生の広場)を
中心にスケッチしました。その様子は、今回東京から参加された、
you-me★さんが報告されたホームページの記事でご覧ください。

<本日の絵>
ワットマン F4 神戸海外移住と文化の交流センター正面(線描)

神戸・海外移住および文化交流センター(線描)(縮小)

テーマ : art・芸術・美術 - ジャンル : 学問・文化・芸術

京阪神の街をどう描くか、問題意識の整理(9)

4) 大阪城およびその周辺
     大阪といえば、大阪城ははずせません。が、あまりにも月並みなので、
     これまで近づかないようにしていました。
     心のどこかに、鉄筋コンクリート造りの天守閣ということで、少し、馬鹿に
     していたのかもしれません。

     しかし、若いころのくすんだ天守閣と違って、近年は、金色の装飾がな
     されており、なかなかはなやかなのです。

     確か、再建天守閣は徳川幕府が建てた大阪城の天守閣だったはずで
     すが、江戸時代の天守にこのような装飾があったのか、それとも装飾
     だけ秀吉時代の天守の装飾にしたのでしょうか。

     いずれにせよ、この派手さは、描きがいのあるものです。

     以前、大阪に出張に来た時に大阪城をバックに、桜を描いたことがあり
      ます。

     それ以来、お城から遠ざかっていますが、このたび森ノ宮に新たにでき
     たカルチャースクールにお世話になることになり、はじめて森ノ宮から、
     大阪城を訪れました。

     実は、このルートが正式の登城ルートらしく、これまでの、大阪城公園駅
     からの北側のルートとはまったく印象が違うことがわかりました。

     特に内堀の石垣の上に近代建築が見えかくれします。これまでまったく
     注目していなかったのです。旧第四師団司令部庁舎で、最後は市立博
     物館として使われもので、現在は未使用のままです。

     天守閣と組み合わせると、なかなか面白い組み合わせになりそうです。
     いつか、描こうと考えています。

     なお、最近の大阪はどこも、海外の観光客、特に中国および韓国の人たち
     でいっぱいですが、大阪城も例外ではありません。

    観光客とお城を入れて、お堀越しの大阪の都市の眺望のラフスケッチを行
    なったのですが、未完のままです。いずれご紹介します。

以上、江戸城(皇居)も魅力的なスケッチポイントではありますが、あえて比較
するとくまなく城内を歩くことができ、天守を持つ大阪城は、入場制限がなく、
思う存分スケッチできるぶんだけ不満が少ないかもしれません。
(続く)

<本日の絵>
マイブック  人物スケッチ(阪急神戸線)
人物スケッチ(阪急神戸線)048(縮小)
赤ちゃんの表情に注意して描いたのですが、
少し怪しい目つきになってしまいました。

テーマ : art・芸術・美術 - ジャンル : 学問・文化・芸術

TAG : 人物スケッチ

旧桜宮公会堂(彩色)

京阪神の街をどう描くか、問題意識の記事の途中ですが、ちょうど
記事で紹介したばかりの桜ノ宮周辺でのスケッチ、旧桜宮公会堂
(線描)
の彩色を終えましたのでアップします。(<本日の絵>)

建物の構えはいかめしいですが、現在は高級(らしい)カフェかレスト
ランになっているようです。

<本日の絵>
muse LANDSCAPE GT-8286 G-6 旧桜宮公会堂(彩色)
旧桜宮公会堂(彩色)(縮小)
この横長の水彩紙は、線描は描きやすいのですが、思ったような
発色が得られないのが若干不満です。

テーマ : art・芸術・美術 - ジャンル : 学問・文化・芸術

京阪神の街をどう描くか、問題意識の整理(8)

3) 梅田から天満、桜ノ宮へそして桜ノ宮公園から造幣局周辺へ

      梅田から淀屋橋にかけて、大阪らしさを垣間見たのに勢いを得て、
      昨年4月、その名前にひかれてJR環状線の桜ノ宮駅に降り立ちま
      した。 桜の花を大阪で描くためです。

      ところがあとで調べると、桜ノ宮は大阪の桜の名所にはリストアップ
      されていません。 どうやら桜がまだ若木のようなのです。

      しかし、桜ノ宮から公園内を造幣局へ向かって歩くと、次々と対岸に
      素晴らしい景色が現れます。帝国ホテルの近代ビル群から、旧桜宮
      公会堂など近代建築が現れます。それに加えて、川面を走る船や船
      着き場そして大阪城の天守閣が見え隠れするのです。

      東京には隅田川というよいスケッチポイントがありますが、前回の記
      事でコメントした中の島だけでなく、この桜ノ宮周辺を加えると、景観
      は隅田川を超えます。

      以降、この地域を何回も訪れることになります。その際、桜ノ宮駅で
      降り立つのではなく、梅田から扇町公園、天神橋筋商店街、大阪天
      満宮を巡りながら徒歩で行くのです。 するとその間、川端康成生誕の
      地や、扇町公園のキッヅプラザ大阪ビルなど、現代の大阪に触れるこ
      とができました。焼けることのなかった、戦前の名もないビルが大 切
      に利用されているのを見ることができるのもうれしい。そして、日本 の
      各地のアーケード商店街がシャッターが下ろされた姿とはまったく対
      照的にやたらに元気な商店街。特に、大きな特徴は東京と違って、有
     名チェーン店がひしめくようなことはなく、明治期(江戸も含め)以降のお
      店が生き残っていることに驚きました。

      このように、街歩きを通して、個人的に面白いと思う大阪のスケッチポ
      イントが見つけられる気がしてきました。

      この時点で東京の都市スケッチと異なる大阪街スケッチの一つのヒント
      が得られました。

      1) 高速道路にまみれていない、水都。
      2) 元気印のアーケード商店街。
      3) 密度の濃い近代建築の建物群

さらに、大阪街歩きが続きます。
(続く)

<本日の絵>
フライングタイガー 大阪・桜ノ宮公園川べり眺望
毛馬桜の宮公園川べり047
昨年のいつだったか忘れてしましたが、JR桜ノ宮駅から、
造幣局方面へ歩く途中、川べりからの大阪城の眺望を探していました。
そこで、遠望に橋と大阪城をいれたスケッチをしたのです。
実は、右側に二枚目を描く予定で、このブログにはアップしていませんでした。
右側を描く暇がなく、今回アップすることにします。
桜の季節に来る予定ですが、桜の花でお城が隠れてしまうかもしれません。

テーマ : art・芸術・美術 - ジャンル : 学問・文化・芸術

TAG : 都市スケッチ

京阪神の街をどう描くか、問題意識の整理(7)

2) 東京で描きなれたスケッチの対象に、近代建築があります。東京は、
     空襲だけでなく戦後から高度成長期に、近代建築が次々と取り壊さ
     れたこともあり、広大な東京にばらばらに散らばっている近代建築を
     探しに出かけるという感じです。このような事情は大阪も同様だと思
     っていました。

     確かに、見かけはそうなのです。しかし、大阪の環状線が、山手線に
     比べて一回り小さいこととにていると思うのですが、少々事情が違い
     ました。

      最初に廻ったのは、定番の場所です。梅田から徒歩で南下して淀
      屋橋近辺、大阪市役所と日銀大阪支店が相対する場所に出ます。
      土佐堀川にかかる淀屋橋が心地よい。広い空の下、思いっきりレト
      ロなデザインのオーラを周りに放っています。高速道路 に押しつぶ
      された、かわいそうな東京の日本橋が思いこされます。

       そして、この淀屋橋の東西に、中の島に数々の近代建築群が現れ
      るのに驚 きました。

       さらに、中之島の東南の北浜を歩くと、有名なレトロ建築だけでなく、
       次々に無名のビルが見つかるのです。

       このように、ビル間の密度が濃いのが大阪の特徴です。実は、すで
       に淀屋橋や無名のビルをスケッチしているのですが、ブログではま
       だ未発表です。よりどりみどりで絞り切れていないのです。いずれ本
       格的に描 いてみたいと思います。

       なお、北浜を歩いているときに、緒方洪庵の適塾が突然現れたことも
       新鮮な驚きでした。その部分だけ江戸に引き戻されます。


以上、徐々に東京とは異なる特徴があらわになってきました。
(続く)

<本日の絵>
マイブック 人物スケッチ(阪急京都線)
人物スケッチ(阪急神戸線)046(縮小)
いつもは、電車のスケッチでは女性の服の模様まで描く余裕がないのですが、
このときはやけに細かいところまで描いています。

テーマ : art・芸術・美術 - ジャンル : 学問・文化・芸術

京阪神の街をどう描くか、問題意識の整理(6)


1) 大阪のスケッチポイントは、まず梅田近辺から始めました。
     以前からなじみがあるところだからです。

     私が知らないうちにこの近辺は大幅に変化していましたが、
     基本的には現代のビル群なので、東京でのスケッチポイン
      ト探しを応用することができます。いくつか大阪らしいポイ
      ントを見つけましたが、ここでは詳しく述べません。

      しかし、梅田はそれだけではありません。阪急梅田駅から
      東側、そして曽根崎警察署から御堂筋に沿って南へ歓楽街
      が。

      今から思えば、当たり前ですが、東京に比べて、食べ物のお
      店の多さに圧倒されました。しかもはでな広告に強いインパ
      クトを受けます。おまけにコストパフォーマンスもよい。徐々に、
      大阪らしさを体感してきました。

       そして忘れてはいけません。曽根崎は徳兵衛、お初の「曽根
       崎心中」の舞台です。

       江戸・東京に比べて歴史的事件を思い起こすことが少ないと
       初めに述べましたが、こうやって教科書で習ったことが出てく
       るとうれしくなります。

(続く)

<本日の絵>
マイブック 人物スケッチ(阪急神戸線)
人物スケッチ(阪急神戸線)045(縮小)

テーマ : art・芸術・美術 - ジャンル : 学問・文化・芸術

TAG : 人物スケッチ