講評会(1)

土曜日の午後3時半から5時間かけて、新宿教室のA、B両教室合同の
講評会がありました。

テーマは、全身自画像と、人物を入れた野外スケッチで、それぞれ2枚を
持ち寄り講評を受けるという内容です。

私は、<本日の絵>に示した自画像と、前回の記事で示した「銀座三越
ライオンからWAKOビル」の完成品を示しました。同時に、色塗り途中の「
銀座プランタンからミキモトビル」を参考作品として示しました。

私の発表は、最終でしたので時間がなかったのですが、まず、「銀座三越
ライオンからWAKOビル」については、ライオン横の女性の大きさと、横断
歩道の人物の大きさとのアンバランスを指摘されました。

自分自身でも意識していたことでしたので、納得です。
(続く)

<本日の絵>
クロッキー帳 自画像
自画像550
自分の姿を示すのは恥ずかしいものです。実はこんなおっさんです。
半身像は以前お示ししました。)

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銀座野外スケッチ 銀座ライオンからWAKO 彩色完成

標題の線描画の彩色を終えました。

うすうす感じていたのですが、色塗りを終えると、あらためて
WAKOビルの重厚さと、最新のファッションビル(アルマーニ
とディオール)の貧弱さが対照的に思えます。

やはり、描きなおすとしたら、ファッションビルを除いて、WAKO
ビルと人物を主題にすべきだと思いました。

<本日の絵>
銀座三越ライオンからWAKOビル(縮小)
左の歩道の人物の全身を入れたかったのに、それができません
でした。F4右半分の人物を描くときに、歩道の人物が小さすぎた
のと、ビルの前の人物の高さを間違えたのが原因です。描きなお
すときは、人物の姿をこの1.5倍にしなければならないと思います。

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銀座野外スケッチ白描画完成 銀座プランタンからミキモトビル

標題のスケッチの線描を終えました。

ミキモトビルの壁にランダムにつけられた窓に興味を
持ったのですが、塗りはうまくいくでしょうか。
(もっとも、講評会に間に合うかおぼつかないのですが)

<本日の絵>
ワットマン F4 2枚組   銀座プランタン横からミキモトビル
銀座(プランタン)白描画(96%)
近景の人物を足もとから入れたかったのですが、いつものとおり、
天井から描いたので、下の部分がすべて書ききれず、中途半端
になってしまいました。

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松岡正剛著「山水思想 もう一つの日本」(五月書房 2003年)(4)

興味を惹いた箇所を書くときりがないので、最初に挙げた問題意識に
限定した部分につき以下感想を書きます。

(1)「日本画」と「洋画」とは何か、なぜ始まったのか
   ・第1部は志半ばで亡くなった日本画家、横山操の遺言のような
    芸術新潮に載せた評論から始めています。そして、彼の論は、
    「水墨=山水画=日本画」という関係に日本画の突破口と将来
    への起点を見たと言います。
    松岡は日本画については、本格的な美術論は未だ確立されて
    いないとし、最近の研究史を紹介しながらも、結局、日本画の
    源流に、中国の水墨、特におびただしい山水画の流れがあり、
    さらにその中国から水墨画の技法を取り入れた日本の中世に
    視点を向けるべきだとします。以下、本書はその視点ですべて
    書かれています。

   ・さて、日本の中世では、明兆、如拙、周文などを紹介しながら、
    「新様」と云われる日本的なものの出現を述べ、さらには、縦長
    の詩画軸が日本で出現したことを述ます。(縦長山水詩画軸が
    日本発というのは、知りませんでした。)最終的に、雪舟が到達
    した水墨画に触れ、雪舟の中国離れ、独自性について述べます。
    松岡によれば、「不安定という観点」の意識的な導入があったと
    し、「アンスタビリティー」の実験だといいます。
    なお、アンスタベィリテイーとインスタビリィティーとは違うと云い、
    前者は動いているが、後者は動けない。すなわち、前者は「動的
    な秩序を求める生々しい動向」であり後年になり(バロック)、ヨー
    ロッパの画家たちも積極的に導入に取り組んだことを紹介し、わ
    が国では、雪舟から等伯が墨絵で実験したのだという。しかも、ヨ
    ーロッパの場合と日本の水墨画のアンスタビリティーの出方が違
    いなどを述べます。

    以上の部分だけでも、日本画に関する研究書籍の引用、「アンス
    タビリティー」という用語(カタカナ)導入、日本の中世にいたかと思
    うと、ヨーロッパ絵画の流れに言及し、突然絵画比較論をさしはさ
    むなど、最初のページがはじまってから70頁たらずで、この記事
    の第1回で述べた、編集工学の松岡らしさがどんどん出てきます。
    確かに、第1回で紹介した松岡批判が起こるのも無理はないと思
    いました。しかし中世への視点はおそらく新しい視点でしょうから、
    「独創性がない」という批判は当たらないと云えます。むしろ、これ
    からどういう風に展開するのかわくわくするものがあります。
(続く)

<本日の絵>
雪舟 秋冬山水図
雪舟 秋冬山水図

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銀座野外スケッチ白描画完成 銀座ライオンからWAKO

今週30日の講評会に向けて銀座野外スケッチの2点を
完成させなければならないのですが、遅々として進みません。

やっと、銀座三越ライオン横から描いた表題の絵の線描を
完成させました。

交差点を渡る人々を書き終えた時点では、イメージ通りだっ
たのですが、左のDiorのビルなど、最新のファッションビルを
描いても、WAKOビルの貫禄には負けるようです。

野外スケッチ当日の好評で、N先生から右半分でよいと言わ
れましたが、私もそう思います。
(全紙に描きなおすかどうか今後の課題になりました。)

<本日の絵>
ワットマン F42枚組 銀座三越ライオンからWAKOビル(白描)
銀座スケッチ(和光)白描画
人を待つ後姿の女性は当日現場で慌てて描いたので、
大きすぎたような気がしましたが、これでよかったかどう
か今もわかりません。和光ビルよりも先にこの女性に目
が行ってしまうので、人物を描くのは配置も含めて本当
に難しい。

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松岡正剛著「山水思想 もう一つの日本」(五月書房 2003年)(3)

まず本書の内容を要約すべきですが、内容が「編集工学」的な構成と記述法
で書かれているので難しい。

一方、目次の構成が独特の編集視点で作られているので、松岡氏の云いたい
ことが分かりやすくまとめられていると思いましたそこで。少し、長くなりますが、
以下に引用します。
---------目次引用-------------------
第一部 1.日本画の将来 独断する水墨画、2.可翁から雪舟へ 画僧の時代 
      3.真形山水図 雪舟自立
第二部 4.組織絵画 狩野派の冒険 5.天下の画工 屏風と画体 6.天文法
      華の騒乱 7.桃山世界史 意匠という様式 8.雪舟・永徳・等伯 三
      人の老梅
第三部 9.ロマンティシズム 対立と相互作用 10.ディマケーションン 余白の
      発見 11. 等伯画説 松林図の背景 12. トポスの意味 水暈が墨章
      する 13. メトリックの謎 気の振る舞い
第四部 14. 山水タオイズム 逸民として 15. 全景と分景 北の三遠・南の辺角
      16. 写山水訣 雲遊する画人 17. 場面の山水 中国風から日本流へ
第五部 18. 而今の山水 山水一如 19. 和様の発想 無常と山水 20 明治の
      問題 日本画の誕生 21. 遊弋する山水 山水的に日本.

とは言え、以上ではあまりにもそっけないので、次回私自身が興味を惹いた部分を
述べたいと思います。
(続く)

<本日の絵>
長谷川等伯 松林図
長谷川等伯

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スケッチブック展in Kawasaki Ⅲ(東高根森林公園)(2)

展示作品でさらに興味深いのは、蛇腹様式のスケッチブックです。
(<本日の絵>参照)

作品例3は、かじがやごろぉさんの作品。作品例4は魔女メグさん
作品です。

失礼とは思いましたが、蛇腹形式の作品を思い切って展開して、撮
影してみました。
いかがでしょうか、まるで屏風が絵巻物のように迫ってきます。

ごろぉさんの作品はまるで乱舞する生き物のような樹木群、魔女メグさん
の作品は、太い鉛筆による人物線描で、屏風風に展開すると、各人物が
見ている私に迫ってきます。

なお、帰る間際になって、手作り風の冊子を見つけました。表紙や中の挿
絵は、見慣れた魔女メグさんの絵のように思われました。

手に取って、よく調べるとかじがやごろぉさん編集、挿絵が魔女メグさんと
なっています。

これは、福島第一原発の事故で故郷を離れた人々の自分史を作成する
ことで、次の世代に遺す活動の一環として作成された冊子だとわかりまし
た。

お二人がこのような活動に関わっておられることを初めて知りました。絵
を描くという行為がこのような形でも役に立つことを知ることができました。

       スケッチブック展6

<本日の絵>
目に付いた作品例3
アコーディオン形式スケッチ2
目に付いた作品例4
アコーディオン形式スケッチ

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スケッチブック展in Kawasaki Ⅲ(東高根森林公園)(1)

標題のスケッチブック展に行ってきました。

スケッチブック展

川崎市の東高根森林公園の同じ場所で6月に行われたスケッチブッ
ク展についてはすでに記事にしました。

今回は、野菜をテーマに、作品を出品される方が大幅に増えています。
あいにく、猛暑のさなか訪れる人が少ないのは残念ですが、それでも
時折、興味深げに作品を見る人々がいます。

スケッチブック展2

たまたま訪れた父息子親子の男の子が絵を描く板を見つけて描きたい
と叫んでいます。お父さんが、受付のスタッフの女性に問いかけ、許可を
得ると、男の子は嬉しそうに描きはじめました。

          スケッチブック展4 スケッチブック展3

作品は写真に示すように、誰でもが手に取れるように展示されています。
どの作品も楽しげに描かれており、見飽きません。
中でも、主催者の一人の魔女メグさんの最近の試みである、手ぬぐい形態
の縦長の作品が展示されていたのは私にとってありがたいことでした。
(<本日の絵>参照)

なぜなら、魔女メグさんのブログで発表されて以来、実物を見たいと思って
いたからです。

デザインの思いっきりの良さがすばらしく、これほど多くの作品が展示されて
いるとは思っていなかったのでうれしい誤算でした。
(続く)

<本日の絵>
目に付いた作品例1
魔女メグ作品
目に付いた作品例2
魔女メグ作品2



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松岡正剛著「山水思想 もう一つの日本」(五月書房 2003年)(2)

松岡正剛氏の紹介の前置きが長くなってしまいましたが、なぜ
標題の本をとりあげたのか、理由は以下の通りです。

1)線スケッチを始めて、日本画にはじめて興味を抱き、模写な
  ども始めました。そのような経過を経て、なぜ日本には、「洋
  画」と「日本画」という言葉で区別をするのか、それがどのよう
  な背景で始まったのか、なぜ、現代までそれが続いているのか、
  日本の画家たちは、世界における位置づけをどのように折り
  合いをつけてきたのか、(世界(とはいっても西欧)スタンダード
  をめざすのか、めざさないのかといった個人としての立場)
  などなど、ごくごく自然な疑問が湧いてきました。しかし、美術史
  家や専門家の本からはこの疑問に応える内容は見いだせませ
  ん。また、作家本人からも、問題意識や作画姿勢、作品そのも
  のの自負は聞けるのですが、主観的すぎるきらいがあります。
  その点では、この著者の本は私の上記疑問である、日本画とは
  何か、日本画の誕生まで真正面に取り組んでいると思われたか
  らです。
2)もう一つは、「線」の問題です。線こそは、作家の意思、表現した
  いものが直接反映されるものですが、その視点で絵画の流れを
  追っていくと、「水墨画」は避けて通れないジャンルだと思い始め
  ました。
  ところが、「水墨画」に関する入門書はあるものの、中国、朝鮮、
  日本の水墨画の流れを本質的に論じた本が少なく不満を感じて
  いました。ところがこの本はその点でも満足する内容に思えたの
  です。
(続く)

<本日の絵>
マイブック 人物スケッチ(損保ジャパン美術館1階ロビー)
人物スケッチ(損保ジャパン美術館)426
美術館のボランティアガイドの研修で待ち合わせをしていたときに
描きました。

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松岡正剛著「山水思想 もう一つの日本」(五月書房 2003年)(1)

松岡正剛という人は、私と同世代(正確には一つ年上ですが)の団塊世代の
人で、「編集工学」という新しいコンセプトを提唱し、また様々な分野の専門家
を巻き込んで新しいイベントを企画、プロデュースしていることで時代を駆け抜
けていることで知られています。

しかし、理由はわかりませんが、この人の著書は、これまで書店で手に取るも
のの、しっくりくるものがなく、きちんと読んだことはありません。

改めてインターネットで検索してみると、どうやら松岡氏に対して多くの批判があ
るようで、なぜ私がしっくりこなかったのかわかりました。

概ね、批判の内容は、どうやらあまりにも多くの分野の著書の引用があり、し
かも情報工学由来の専門語や造語を駆使するために、一つの専門分野を
深堀する学者のスタイルとはかけ離れた論旨の進め方に違和感を持つ、ある
いは広範な資料を駆使するあまり、それぞれの分野の資料の読み込みが甘く
なり、その専門分野の専門家からすれば誤解や読み間違いが多いなどの批
判です。

とはいえ、これらの批判は、編集工学という立場からはやむを得ない面もあり
ます。一番辛辣な批判は、万巻の書籍の引用だけで、著者独自の思想がまっ
たくない、独創性がない、他人の本の紹介に過ぎないというものです。

しかし、今月初めに、成城の図書館に立ち寄ったところ、標題の図書を書架に
見つけ、パラパラとめくったところ、まさにこういう本を待っていたという内容に
驚いて即借り出すことにしました。

次回に、なぜこんな本を待っていたのかをお話したいと思います。

<本日の絵>
マイブック 人物スケッチ(スポーツジム)
人物スケッチ(ジムにて)436
以前、ご紹介したスポーツジムでの人物スケッチの続編です。
トレーナーが、寝ている人物のストレッチを助けている場面です。
描きはじめたら、すぐに立ち去ってしまったので、トレーナーの左
足を描かずじまいになってしまいました。

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