ドミニク・エザール展@ギャラリーショップ水土木(江古田)(2)

さて、ドアを開けて中に入ると、すでに数名の訪問客がおられ、
年配の男性と作家のエザールさんが話をしておられます。

簡単に挨拶したのち、奥の座敷へ上がり鑑賞することにしました。
しばらくすると、男性も帰られ、エザールさんが座敷に来られます。

座敷は縁側を南側に、床の間のある典型的な戦前の日本家屋の
形式で、現場は一部の畳が上げられ、板の間の上に和紙、石、ガ
ラスが置かれ、石の上にのせられた和紙には墨色とも、薄茶色の
滲んだ模様ともつかない文様がついています。(<本日の絵>なら
びに、ココのHPの写真をご覧ください。

全体は、白と黒の基調で一部に薄茶が入り、ガラスはその下の生
地を映すのであまり違和感はありません。もともとの家屋の古色と
あいまって、室町時代の書院の中に入ったような雰囲気がします。

この空間には出入り自由で、初日には、ダンスパフォーマンスもこ
こで行われたとのことです。それも、インスタレーションの芸術とし
ての見せ方の一つなのでしょうか。

実のところ、インスタレーション作品について、作家本人にどう感想
を伝えたらよいかわからなかったので、まず目についた薄墨模様の
ある和紙について聞いてみました。

私:「この部屋の作品名はあるのですか? あの和紙の模様は書
   のように描いたように見えますが、何を描いたものでしょうか?」
作家:「名前はないのです(といったような気がする。) 私は、何もし
   ていないのです。実際には、石の表面を紙に写しただけなので
   す。従って、あれは石の表面が和紙に写されているのです。」
私:「ということは、拓本のようなものですね」
作家:「いいえ、違います。石のシミが自然にうつるのです。」

と、フランス語なまりの可愛らしい日本語で答えられますが、なにか言
い足りないと思われたのか、

「日本語ではどう言ったらよいかわかりません。強いてフランス語で言
えば、”デプラスマン”ではないかと思います。」

私の頭には”déplacement"という綴りが浮かびました。40年近くも前の
錆びついたフランス語の能力にしては驚くべきですが、続いて動く、行く、
うつす・・などのイメージが広がりました。この場合、あえて言えば、うつ
す(うつる?)というイメージでしょうか?

しかし、本質のところは「私は何もしていない」ではないでしょうか。
西洋美術の、作家個人の強い「知」の意志を感じる作品の在り方とは
正反対です。東洋的と言えるのかもしれませんが、東洋に魅せられた
あまりエキゾチズムが抜けきれない意識の欧米人作家のような作風と
も違います。

それこそすべてを自然に任せているかのようです。
作家本人が、書を始めてから行き着いた先がこの空間のように思いま
した。

<本日の絵>
マイブック ドミニク・エザール展(座敷内)
ドミニクエザール(depacement)428

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ドミニク・エザール展@ギャラリーショップ水土木(江古田)(1)

私の個展が始まる前、7月8日の日中、標題の個展に行ってきました。
内容は、線スケッチとはまったくかかわりのない、紙や石、木など自然
素材を用いたインスタレーション作品です。

ドミニク・エザールさんについては、ココに経歴が詳しく載っています。

エザールさんは、私が勤めていた会社の同僚のNさんの奥さんで、以
前からの知りあいでした。個展も10年ほど前に訪れたことがあります
が、その後なかなか個展を訪れる機会がありませんでした。

今回は案内状をいただき、さっそく出かけたというわけです。

とはいえ、扱う素材は日本にありふれたものでも、鑑賞については、絵
画のようにはいきません。実際、作品とどう向き合ったらよいかわからず、
感想を書きにくいのも事実です。

作品については写真を撮っていないので、具体的には、このホームページ
の写真をご覧ください。
 
また写真の代わりにスケッチしましたので、<本日の絵>をご覧ください。

会場は、ギャラリーショップ水土木といい、江古田と小竹向原駅の間、日大
芸術学部が近くにあり、静かな住宅街の中にありました。

ドミニク・エザール展 ドミニク・エザール展 ドミニク・エザール展

年を経た和風住宅で、ギャラリーに改造されているものの、このよう
な住宅に暮らしたことがあるものにとっては大変落ち着くところです。

    ドミニク・エザール展
(続く)

<本日の絵>
マイブック ドミニク・エザール展(アトリエ会場壁面)
ドミニクエザール(depacement)429
車庫だったか納屋だったか、それを改造したアトリエの壁面のスケッチです。
左に細長い窓、その窓を通して庭の木々が見えます。右に、母屋の座敷に
通じる縁側の廊下が見える入口です。その間の壁に、石から写し取った模
様のある和紙が掛けられています。

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個展追記(4) お気に入りの絵画ランキング結果

この1週間、個展のフォローに追われています。

一つは、感想の集計、そして感想の御礼のポストカードの集計、
最後に「一番印象に残った作品」の集計です。

エクセルへの記入がようやく終わりました。これから、ポストカードを
作って、皆さんにお送りする作業が待っています。

ここでは、人気投票の結果を報告します。(記入者総数 92名)

1位 新宿思い出横丁(24)
            新宿・思い出横丁

2位 御岳渓谷カヌー練習場(21)
            御岳渓谷・カヌー練習場

3位 砧公園ソメイヨシノ(18) および マラケシュ・フナ広場(18)
    砧公園ソメイヨシノ   マラケシュ・フナ広場

5位 仙台片平桜小路の夕暮れ(15)
            仙台・片平桜小路の夕暮れ

6位 新宿御苑プラタナス並木(12)および仙台・愛宕神社眺望(12)
   および京都・四条大橋を望む(12)
新宿御苑・プラタナス並木  愛宕神社眺望  京都四条大橋を望む

9位 東京駅丸の内北口風景(11)および吉祥寺サトウ(11)および
   ハワイ海岸の夜(11)
 東京駅丸の内北口風景  吉祥寺・サトウ  ハワイ・海岸の夜

以上、上位9位の11枚です。

概ね、あらかじめ当方が予想した作品が入っていますが、意外にも
小品も人気があり、吉祥寺サトウとハワイ海岸の夜と、二つの夜景
が入りました。

また、当方が習作気分で制作したにもかかわらず、「京都四条大橋
を望む」の1枚も、かなり人気が高いのに驚きました。

<本日の絵>
<本日の絵>は休みます。

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人物スケッチ(病院の待合室)

今年、何度となく通った病院の待合室風景です。(<本日の絵>)

2-3時間待ちも不思議ではないこの場所では、人物スケッチが欠
かせません。


<本日の絵>
マイブック 埼玉病院待合室
人物スケッチ(埼玉病院待合室)423
あらためてこの絵を見ると、あまり良い思い出はでてきません。
もっとも病院で幸福そうな顔をしている人はいませんが・・。

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人物スケッチ(老人ホーム)

個展の記事は一段落して、本日より以前のスタイルにもどします。

とある特老ホームでの人物スケッチです。(<本日の絵>)

ほとんどの方が認知症です。自分の将来の姿でもあるので、いつも、
他人事ではないと思い、自分が入った時の姿を想像して見ています。

訪れるたびに思うのは、職員の方の職業意識の高さです。頭が下が
る思いです。

<本日の絵>
マイブック 人物スケッチ(老人ホームにて)
人物スケッチ(老人ホーム)422

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個展追記(3) 工夫の紹介

次の工夫は、どうやって「線スケッチ」を知らない人にわかってもらうかです。

少し強引ですが、来た人すべてに案内状のポストカードと私のプロフィールを
渡し、その時に私が作者本人ですと挨拶します。(このシステムは、私ではなく、
二日目に受付を助けてくれた人たちの考案です。)

その際、「使用しているペンが、通常市販のサインペンで十分だということ、現
場で下書きなしで描いている」と告げます。

すると、ひやかし程度で来た人も、驚いた様子になり、丁寧に絵を見てくれる
ようになります。

   受付台

さらに、次の間の感想アンケートを書く机に、具体的なスケッチ」道具(ペン、透明
水彩絵の具、描きかけのスケッチブック)を置き、さらに実は毎日描いているのは、
マイブックであり、中の電車人物スケッチや、その場スケッチの実例のファイルも
展示し、みてもらいました。さらに、模写の例や、マイブックスケッチを拡大コピーし、
色鉛筆彩色の例も展示しました。

   展示台

マイブックの反響は大きく、いつまでも中身をみているひとまで現れました。展示した
のは、平成13年分だけですが、もっと展示した方がよかったかもしれません。

私の方も、線スケッチの作業を説明するのに、この展示があってよかったと思います。

<本日の絵>
展示壁面A
P1030625(壁面A)
この面は、めだたないので、プロフィールを受付後ろに控えめにかかげ、絵は、
新宿御苑のプラタナスの秋、昭和記念公園のシーソー二枚だけにしました。

展示壁面C
壁面画面8(縮小)
会場入り口から、真正面に大きく見える壁なので、全紙の絵を掲げています。前の
記事でも言及しましたが、右側の2枚の絵の効果は大きく、目だったようで、気に入
った絵のアンケートでも高ランクでした。

配置壁面図(縮小)

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個展追記(2) 工夫の紹介

個展の記事が続き、読者の方にはくどくなることは承知してい
ますが、会期中気が付いたことを自分のための記録として記
事を続けたいと思います。しばらく、ご辛抱ください。

今回は、民間のギャラリーではなく、美術館併設の公的ギャラ
リーでの開催でしたので、線(ペン)スケッチを知らない観客が
多数訪れることが予想されました。(ボストン美術館、ジャポニ
スム展からの観客など)

そこで、線スケッチを知らない人を想定していくつかの工夫を考
えました。

まず、会場への人の誘導です。 美術館から貸し出された表示
板を通路にはみ出すように置き、黒の和紙を背景に、A3の用紙
一杯に印刷した文字と思い出横丁の絵を貼りつけました。

当初はポスターを作成しようと考えましたが、A2のポスターを一
枚作るだけで高い費用がかかるので、百円ショップでA2大の和
紙を購入し、同じく百円ショップのコピー機でA4をA3に拡大するこ
とで済ませました。

ちなみに、かかった費用は、約200円です。

        案内表示板

実際これで十分で、人々は思い出横丁の絵で一体この絵は何だと
思い、右を向くと、展示壁面C(<本日の絵>の図参照)に並んだ
全紙の作品に目が行き、特にプラタナス並木の樹肌や、御岳峡谷
の水面が目に飛び込み、引き込まれるように入ってこられるようで
した。
(続く)

<本日の絵>
展示壁面B
壁面5(縮小)
木、桜、水コーナーのメイン作品を、受付に入って左奥の壁面Bに展示しました。
砧公園ソメイヨシノの絵を真ん中に、左に深大寺植物公園のユリノ木林、右に
仙台愛宕山眺望の絵を配しました。この3点については、特に、砧公園、仙台の
絵については、コメントが多くありました。


配置壁面図(縮小)

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個展追記(1)

スケッチ仲間の展覧会に習って、今回多くの方に、アンケート
形式で感想を書いてもらいました。集計の中身についいては、
まとめができ次第記事にしたいと思います。
ここでは、会期中に記事で紹介した人以外で、気が付いたこと
を追記します。

スケッチ仲間やスケッチ教室の生徒さんは、自分で名乗ってく
れるので、話していても問題ないのですが、今回の訪問者で冷
や汗をかいたのは、それなりに絵やデザインを職業にしている、
あるいはしていた方達の訪問が意外にも多く、対面で話がかな
り進んだ後に、身分を明かされることです。

例えば、美大を出た人、イラストレータ、デザイナー、写真家の人
たちが訪問されました。

アマチュアの私がしたり顔で線スケッチの制作論をひとしきりしゃ
べったあと身分を明かされるのでたまったものではありません。

もっとも、直接私に話しかけたということは、皆さん私の絵(技法?)
に興味を持ったか、共感したからだと思えば、以前紹介した、純
粋に絵を感じていただいた一般の人々や子供たちの正直な感想
とは別の観点でうれしいことでした。

なぜなら、それぞれのジャンルの専門からの見方を言っていただ
き、たんなるお世辞だけとは受け取れない内容でしたので、大い
に参考になったと同時に、それなりに手ごたえを感じたからです。

私自身はあくまで職業画家ではないので、職業にされている、あ
るいはだった方から意見をいただいたことは、期待していなかった
だけに驚きとよろこびでした。

もっとも、心地よい言葉だけ聞いていて浮かれている場合ではあ
りません。
これを上回る(数倍か)批判者がいることも頭に入れなければなり
ませんが・・。
(続く)

<本日の絵>
展示壁面J(木、桜、水のコーナー側)
壁面7(縮小)
左から、ハワイの小品、六甲の沢、御岳渓谷岩登りときて、真ん中に仙台片平の
夕暮れの絵の展示が続きます。その右が仙台松島、ベトナム・フエの絵です。
当初、仙台片平の夕暮れの絵は、御岳渓谷のカヌー練習像の絵が配されましたが、
入れ替えました。この仙台片平の夕暮れの絵は、外国のようだ、風情があると好評
でした。


配置壁面図(縮小)

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個展無事終了しました!

6日目、すなわち最終日の一日が怒涛のように過ぎ去りました。
事前に何度もご相談申し上げた師匠のN先生、1日目の準備に
参加いただいた元スケッチ仲間、また受付にも多くの知人や家
族の協力があり、無事に終わったのは本当に多くの皆様のおか
げです。

また、もちろん来場者が無ければ、個展は成り立たちません。
最終的に480名にのぼる方にご訪問いただきました。
お忙しい中を、私の個展に時間を割いていただいたことに、この
場を借りて御礼申し上げます。

また、すべての作品の額装をお願いした、M工房のT様には、大
変お世話になりましたことをご報告し、あらためて皆様に感謝した
いと思います。

一夜明けた今日は、張りつめていた気持ちが緩んで、頭がボー
っとしています。おまけに、立ちっぱなしだったせいか足に張りも
出てきました。
やはり、連日存じあげない方と立ちっぱなしで接していたせいでしょ
うか、店頭で多くの人々と接客する人たちの苦労が分かるような
気がします。

まずは、(老体のこともあり)、体力回復につとめます。
(続く)

<本日の絵>
展示壁面 B
壁面5(縮小)

都市スケッチコーナーから、木、桜、水のコーナーの展示壁面に移ります。
壁面Bでは、主要の作品として砧公園の桜の絵を中央に据え、左右に大
関級の作品を配しています。

展示壁面 A
壁面6-1
受付があるので、飾る壁面には、二枚しか展示していません。プロフィール
は控えめに受付背後に掲げています。


配置壁面図(縮小)

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5日目終了しました!

土曜日の5日目が終了しました。
予想された通り、多くの方が来場され、慌ただしい1日でした。

開始早々、スケッチ仲間が大勢来場され、その後お昼時まで
来場する人々が途切れ無い状況が続き、平日との違いを予感
させます。事実、終了時には100名を超える入場者を数えました。

この日も、いろんな方が来られましたが、やはり、いただく感想の
言葉はこれまでの内容と同じで、線スケッチの方式による絵の
特徴を今回本当に知ることができた思いです。

印象に残った訪問者を一人挙げます。終了時間近く4時半過ぎ
にふらっと入ってきた白人男性。渡したプロフィールと案内状ポ
ストカードが日本語のため、申し訳ないと英語で伝えたところ、
問題ないとの返事。(もちろん英語)

そのあとも、とても熱心に質問するので、慣れない絵画用語を用
いて汗をかいて会話を続けていたところ、なんとなく日本語のキャ
プションを読んでいそうではありませんか。

やはりというか、最後にはアンケート用紙をとって、すらすらと回答。
漢字、カタカナ、ひらがななんでもござれです。

絶対日本語を話すことができるはずです。が、最後まで英語で押し
通し、にこやかに笑って挨拶して帰っていきました。

なんとも人が悪い。(もっとも絵を褒めてくれたからそれでもよいか)
(続く)

<本日の絵>
展示壁面 D
展示壁面2
今回はサイズがF3以下のものは、大きなサイズと一緒に並べないで、まとめま
した。
壁面Dでは、右に、吉祥寺、根津などの露地ものを斜めに配し、銀座、東京駅の
二つを上下に配しました。 一方、真ん中に京都四条大橋遠望の絵を置いて、
左側に、京都。奈良の街の小品をまとめました。


展示壁面 Jの半分(都市画コーナー側)
展示壁面3(縮小)
壁面Fの右端のモロッコ・マラケシュの塔のイメージを受け継いで、壁面Jの最初
には、ニコライ堂の絵を持ってきました。そして上野ヨドバシカメラの全紙両サイドに
小ぶりの原宿、台北ビジネス街の朝、神戸北野異人館の絵を配します。
そして、6枚のカフェスケッチの小品をまとめました。


配置壁面図(縮小)

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