「特別展覧会 狩野山楽・山雪」展訪問

京都国立博物館で行われている標題の展覧会に、二週間ほど前に
行ってきました。遅くなりましたが紹介します。

CIMG2153.jpg CIMG2154.jpg CIMG2157.jpg

以下結論です。是非、だまされたと思って、京都に出かけてください。
素晴らしい内容でした。(巡回はしません。5月12日までです。)

まったく、不勉強でしたが、狩野といえば、元信、永徳、探幽、山楽
など一派ひとからげで、それぞれどんな特徴があるかなどすら気に
もとめませんでしたが、探幽らが江戸に上って徳川家の御用絵師に
なったのに対し京都に残った、「京狩野」と称される絵師達がいかな
るものか、始めてわかりました。

詳しくは、次回に譲るとして、京都博物館に足を運んだのは久しぶり
です。門の周りはおしゃれなカフェが出来たり、常設館は新築中など、
昔の面影が消えてしまいました。

ただ、明治期に建てられた赤レンガの本館だけは、昔の姿のままです。
会場に向かう人々の中に着物姿が見られるのも京都らしい。

   京都国立博物館 京都国立博物館
(続く)

<本日の絵>
マイブック 京王バス乗り場にて(調布駅)
京王バス乗り場で(調布)020
調布駅前のロータリーのバス乗り場で、行列している人々を描き
ました。このときは調子がよく、あまり迷うことなくペンが進んだ記
憶があります。

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泰明小学校スケッチしました。

個展の帰りに、偶然泰明小学校の前の道に出てしまいました。
以前から、行きたいと思っていはいたのですが、実は今回が
初めてです。

遠目から蔦に覆われた昭和初期の建物が現れたので、もしやと
思って近づいたら、やはり泰明小学校でした。

              泰明小学校 

泰明小学校 泰明小学校 泰明小学校

それほど時間はなかったのですが、せっかくのチャンスと、SMサイ
ズでスケッチしました。(<本日の絵>を参照ください)

みゆき通りの由来を記したプレートがあります。明治天皇が「宮城」
から海軍兵学校へ云々という文章がありましたが、なぜ宮城かが
書いてありません。仙台ー東京スケッチ紀行を名乗っている立場から、
気になります。

また、経済産業省から「近代化産業遺産」というプレートがありました
が、これまた、その理由が良く分かりません。

       泰明小学校 泰明小学校

<本日の絵>
ワットマン SM 泰明小学校
泰明小学校003
今回、初めて泰明小学校を訪れました。この場所は、スケッチポイント
としてよく知られていますが、ここでは、肝心の校舎が蔦でうずまり、
何んがなんだかよくわからないですね。色塗りをすれば少しはましに
なるでしょう。

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「関本紀美子カラフルスケッチ展」訪問

4月26日(金)の夕刻、仕事の打ち合わせがあるため、東京に
出かけました。

12時前に、東京駅に着き、山手線ですぐさま有楽町に向かい
ました。

銀座で行われている表題の個展に行くためです。

      関本紀美子展 CIMG2370_20130502202851.jpg 

関本紀美子さんは、現在、私が習っている永沢まこと先生の教
室の前に新宿教室で教えていただいた先生です。

題名の通り、その画風は大変カラフルで、絵を見た人(特に女
性)は、一度はこう描きたいと思うでしょう。

今回の個展は、海外スケッチがメインンで、ハワイ、フランス(モ
ンサン・ミッシェルおよび南仏?)、インドでのスケッチです。

   CIMG2371.jpg CIMG2372.jpg

私自身は、全紙を二つに切って細長くした、インドで描いた絵が
とても気に入りました。(残念ながらインドの絵はお示しできませ
んが、<本日の絵>で展示作品の一部をご覧ください)

今回気が付いたのは、以前の絵に比べて線が比較的細く、また
彩色も以前のように濃くなく、全体に軽やかさが増したように思
います。逆に以前の絵は線と色のメリハリが効いていました。

どちらかよいかはおそらく見る人で決まるような気がします。

ただ、建物が人間の目で感じるように、ひずんで描かれているの
は、以前と変わりなく、この表現が彩色だけでなく絵に魅力を与
えていると思います。

以下、余談です。

見終わった後、銀座周辺を歩いたのですが、銀座では、セブンイ
レブンの看板も異様に細長く、またリンガーハットのお店は、どこ
の高級なバーかレストランかと思わせる舗の作りです。

    銀座 銀座

銀座の街の雰囲気に合わせざるを得なかったのでしょうか。

銀座の町の格式が高いことにはじめて気が付きました。

<本日の絵>
関本紀美子カラフルスケッチ展ポストカードより。
関本紀美子展

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高槻城下町再訪(2)

高槻城址を過ぎてさらに南へ進みます。これまで一度
も来たことのないゾーンに入りました。

しばらく、何の変哲もない大阪らしい街並みが続きます。
突然、思いかけず、タイムスリップしたような場所に迷
い込みました。

下に示すお寺を中心に、似たような古くて重厚な街並み
が集積しています。

  CIMG2342.jpgCIMG2343.jpg

          CIMG2352_20130501220726.jpg

一体どこに来たのでしょうか。ふと見ると表札がありました。

「下田部高札場」とあります。江戸時代の高札場がそのまま
残っていたのです。

    CIMG2348_20130501220724.jpg CIMG2349_20130501220726.jpg

場所は、下田部町。高槻市のような大阪のベッドタウンとして
都市化が激しい街で、このようにまとまって古いたたずまいが
残されているのは不思議でなりません。
(まわりは、開発されて工場や、大規模店舗など、どこにも古
いものはありません)

ただ、隣接する新興住宅街には、(悪いのですが)少し笑いが
でてしまいました。

        CIMG2357.jpg

まるでお城の天守閣のように屋根が重ねられた建売住宅が、
数十件、集積しているのです。

おそらく、昭和50年前後に建てられたのでしょうが、この「ごて
ごて感」は、関西ならではのものと、関東の目になれた目には
映ります。

現代のスタイリッシュの住宅デザインからすると、とても時代が
かっていますが、意外に50年以上すれば、レトロで味がある建
築として受け入れられるような気がします。

「時を経る」ことにより物質が風化し味が出るというのはなぜな
のかなどと余計なことを考えてしまいました。

<本日の絵>
ワットマン SM 大阪ステーションシティ屋上
大阪ステーションシティー002
昨年の9月、大阪滞在中に大阪ステーションホテルの屋上に、
庭園があるのを見つけました。若い主婦と思われる女性二人、
熱心に庭の土の手入れをしている姿をスケッチしました。
疲れていたので、細かいところまで描いていません。

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高槻城下町再訪(1)

昨年夏に引き続き、高槻市に10日前から滞在しています。
長期滞在を予定していますので、関西を改めて見てみたいと
思います。

1週間ほど前、晴れた日に自転車で高槻城址近くからさらに
南の方を自転車で探検することにしました。

    高槻 高槻

たった半年ばかりなのに、駅北の再開発は大きく進み、新た
に2棟のタワーマンション建設が急ピッチに進んでいます。

その他、気が付いたことを以下に記します。

以前、デザインマンホールのことを記事にしましたが、色付
きのマンホールの事例についてはご紹介できないでいまし
た。

ところが、この日実家から駅に出る道の途中に、その彩色デ
ザインマンホールがあるではありませんか。

下に、ご紹介します。

        高槻

あとで、気が付きましたが、彩色版は(おそらくコストが高い
せいでしょう)数は限られており、無彩色版が多く設置されて
いました。

柄は高槻市の奥にある森林(摂津峡か)を描いたようです。

いろいろ眺めてみていると、以前気が付かなかったことも
気が付くようになります。

お城近くの民家も、改めて見ると戦前からある建物ではない
かと思われるものから、まったく新しいのに、古い様式で建
てたものもあり、周りに合わせて、古いものを継承していくの
も大変だということが伺えました。

例えば下の写真の家など、一体建築費はいくらかかったの
だろうと余計なことを思うほどの立派な建物と門と塀です。

   高槻民家 高槻民家
(続く)

<本日の絵>
マイブック 京王バスの車内スケッチ
京王バス人物スケッチ001(ブログ)
京王バスの車内スケッチですが、最近かなり素早く描いていて、
少々のひずみは気にならなくなりました。

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「ミュシャ展 パリの夢モラヴィアの祈り」(4)

(4)スラヴ叙事詩について:油彩画は成功しているのでしょうか?

      さて、このブログでは、長沢まこと方式による「線スケッチ」の立場から
      美術展の作家を選んで取り上げているのですが、

  1)西洋絵画の本流としての油彩に対する民族性との相性
  2)商業向け作品と油彩画の芸術性に関する優劣

  取り上げる作家(特に現代)がほとんど、上の問題にぶち当たるのは何
     故でしょう。つい最近取りあげた、木村壮八も同じ問題があることをコメ
  ントしました。

  さて、ミュシャの場合、商業ポスターと油彩における芸術性に加えて、ス
  ラヴ民族自主独立にかかわる思想問題まで加わります。


640px-Alphonse_Mucha_-_Fate.jpg 484px-Mucha,_Alfons_-_Woman_With_a_Burning_Candle Po_bitvě_na_Vítkově
       (油彩 いずれも出典はwikimedia commons)

  一旦、思想を離れて(ミュシャは望まないでしょうが)、油彩画として
  みると、上記本格的な油絵は、ポスターほどの感動は得られません。

  おそらくそれは、私自身がミュシャの寓意、思想を受け入れるだけの、
  スラヴの民族・歴史理解の力がないためでしょう。

  しかし、ミュシャの想いとはうらはらに、チェコの市民は、「スラヴ叙事
  詩」のあまりにも大時代的で古い様式の歴史絵画の受け入れをため
  らったといいます。

  すると、やはりチェコ人でも、中世ならいざしらず、現代では、このような
  絵画は受け入れにくいのだと思います。

  しかし、線描のするどさとデッサン力が把握できる、インク、木炭、鉛筆
  画になると話は違います。夢見るようなポスターとはまったく対照的に、
  暗い絵が多いのですが、絵画的に強いインパクトを与えます。

  圧巻は、パステル、チョークによる「スラヴ叙事詩」の巨大な下絵です。
  (<本日の絵>を参照ください)

  短い線でつなぐ変わった技法で描かれており、画家自身の強い筆さば
  きが画面一面に広がって、本画である油彩画よりも人物の表現も躍動
  的で、強い印象を受けます。

  よくよく考えると、本国を遠く離れてパリに集まった外国人画家たちは、
  自分の民族の歴史、感性を引きずりながら、画家自身の絵画表現を見
  出していったわけです。彼らはほとんどそれを油彩で完成させた。

  しかしくミュシャ場合は油彩ではなく、あのポスターで民族の感性を入れ
  た様式を完成してしたのだと思います。

  にもかかわらず、一番こだわった「スラヴ叙事詩」を、一時代前の、典型
  的な西洋の歴史絵画に頼らざるを得なかったところにミュシャの誤算が
  あったのではないでしょうか。
 
  それが、ビザンチン美術やイコン美術にみられる民族に流れる感性と絵
  画技法を用いて表現していたならどうなっただろうかなどと、勝手に夢想
  してしまいます。

  最後に、ここで思い出すのは、同じような問題に直面した日本人の場合
  です。

  幸い、日本にはやまと絵というものがあった。したがって、行き詰った時に
  頼るのは、線描による日本画ということになるのではないでしょうか。

  日本には日本画あるということは幸せだったのかそうでなかったのか。

  おそらく、現代の日本でいえば、村上隆、会田誠、山口晃、(奈良美智も
  入る?)といった人たちが元気なことを見ると幸せだったといえるでしょう。

<本日の絵>
ミュシャ パステル、チョーク 「スラヴ叙事詩」下絵
スラヴ叙事詩下絵

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「ミュシャ展 パリの夢モラヴィアの祈り」(3)

(3)様式と配色について:

   すでに、このシリーズの(1)の、<本日の絵>の文章の中で、ミュ
   シャ様式について感じたポイントを述べましたが、ここであらためて引
   用します。

   「正面から私たちを見つめる丸顔の美しい女性、人物を浮き出す太い
   輪郭線、多用される、仏像の光背のような真円、様式化された花飾り、
   ビザンチン(?)様式か、どこかオリエンタル服装の装飾、赤ーピンク系、
   茶色系、青緑系、灰緑食系など意外に少ない配色」


   配色については、例えば下の「四季」をご覧ください。
   (ただし、wikimedia commonsの色は実物よりも赤が濃く出過ぎていま
   す)

     Alfons_Mucha_-_1896_-_Summer.jpg Alfons_Mucha_-_1896_-_Spring.jpg 304px-Alfons_Mucha_-_1896_-_Autumn.jpg Alfons_Mucha_-_1896_-_Winter.jpg
    (「四季」 出典:wikimedia commons)

   一体、この色使いはどこからきているのか? 考えながら歩いている
   と、会場の一角に、ミュシャの故郷チェコの民族衣装のコレクションが
   あり、即座に回答を得ました。

   「ミュシャの配色は、民族の色そのものだったのだ」と。

            ミュシャ
 
   民族衣装の模様は、東欧のスラヴ模様だけでなく、細かい花模様に
   は、オリエントの匂いもします。(正倉院裂まで連想しました)
   ミュシャは、パリに来ても、徹頭徹尾母国いやスラヴにこだわったよう
   です。

   会場では気がつかなかったことを追加して、この節を終わります。

   <本日の絵>に示した、たばこの広告、「Job」を良く見ると、ミュシャ
   の様式化は、植物、花だけでなく人物や煙にまで及んでいることに改
   めて気が付きました。
   
   極めて写実的と思われた人物(女性)も、このそれ自身生きてうごめい
   ているような髪の毛! そして、煙草の煙までも、これまでにない変わ
   った様式化。

   とはいえ、じっとみていると煙のように見えるから不思議です。
(続く)

<本日の絵>
ミュシャ カラーリトグラフ 66.7x46.4cm 「Job」(出典:wikimedia commons)
Mucha-job.jpg
(このwikimedia commonsの画像も赤みが強く出過ぎています。実物の髪の毛は
緑がかった茶色で、背景の茶色がかった緑と合わせて全体に上品な色合いです。)


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「ミュシャ展 パリの夢モラヴィアの祈り」(2)

以下、感想です。

(1)サラ・ベルナール関連ポスターについて:

   以前からミュシャが描く女性は、ポスターであれ油彩であれ、ど
   れも丸顔で、面長のアングロサクソン系の女性はほとんどいな
   いように思っていました。

   例外は、ポスターが評判となるきっかけを作った、女優サラ・ベル
   ナールです。wikimedia commonsで調べると、写真が見つかりま
   した。面長の美人です。

             サラ・ベルナール 
     (サラ・ベルナールの肖像写真 出典:wikimedia commons)

   下に示すサラが演じる有名な芝居のポスターでは、必ずしも面長に
   見えませんが、「ロレンザッチオ」、「トスカ」のポスターや他の作品
   では、面長にきちんと描いています。

   しかし今回の展覧会で分かりました。パリで描いたポスターでさえ
   も、ほとんどスラヴ女性の特徴ある丸顔だったということです。この
   ような初期の時代から、スラヴのことが頭を離れなかったようです。

       ミュシャ ミュシャ 215px-Alfons_Mucha_-_1896_-_Lorenzaccio.jpg 202px-Alfons_Mucha_-_Medea.jpg
   (左から「ジスモンダ」「椿姫」「ロレンザッチオ」「メディア」 出典は
    何れもwikimedia commons)

(2)真正面から見つめる目:

   もう一つのミュシャの特徴にポスター、油彩を問わず、正面を向き、
   鑑賞者の眼を見据える構図が少なからずあることです。

   一般には、斜めか横を向くケースが多いと思うのですが、例えば上
   の絵の「メディア」などは、大きく見開いた恐ろしい眼を真正面から
   我々は見ることになります。

   実は今回、サラ・ベルナールのポスターが予想以上に大きいことに
   驚きました。この「メディア」の場合、外で貼られているのを見たらさ
   ぞかし劇的な印象を与えたことでしょう。

   一方、油彩では、<本日の絵>で示した、娘の「ヤロスヴァナの肖
   像」は、正面向きの典型です。

   やはりスラヴ系の丸顔で大きな目がこちらを見据えています。

   意識してか、意識しないでか、ミュシャは、正面向きの目線のインパ
   クトをポスターを描く中で身につけたのかもしれません。
(商業的に人を惹きつけることはとても大事ですから)
(続く)

<本日の絵>
ミュシャ 油彩・カンヴァス 「ヤロスラヴァの肖像」(出典:wikimedia commons)
Portrait_of_Muchas_Daughter,_Jaroslava_-_Alfons_Mucha

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「ミュシャ展 パリの夢モラヴィアの祈り」(1)

しばらく線スケッチの立場で見逃がすことができない展覧
会の記事が続きます。

15日に、六本木、森アーツセンターギャラリーで行われて
いる「ミュシャ展」
に行ってきました。

ミュシャは、N先生の教室の講義の中でもよく引用される画
家の一人です。しかし、これまでまとまった本格的な作品は、
見たことがありませんでした。

この展覧会についても、つい最近気が付いたので、あわてて
出かけました。

           ミュシャ展

キャッチコピー「あなたが知らない本当のミュシャ。」とあるよう
に、日本人になじみのあるミュシャ様式のポスターだけでなく、
後半生(ポスターを描いた期間は短かった)スラヴ民族のため
に捧げたミュシャの姿が理解できるように、スケッチ、油彩画
およびその下絵、ステンドグラス、写真そして実物は来ません
でしたが、「スラヴ叙事詩」に関する展示など、ミュシャのすべ
てがわかる作品展示になっています。

とはいえ、ほとんどの観客は、ミュシャ様式満載のポスターを
目当てに来ているようです。

通常の展覧会と異なり、明らかにファッションや広告、テレビなど
「業界」と称される人達が混ざっていることからも(正直言います
と、ミュシャの絵の鑑賞と同じくらい、観客の観察も面白かったの
です)分かります。

白状しますが、私自身も、油彩画よりもミュシャ様式のポスターや
商業用作品に惹かれた一人です。

しかし、チョークやパステルで描かれた人物デッサンや下絵につ
いてはまさにキャッチコピー通り「あなたが知らない本当のミュシ
ャ」でした。確かにもう一人のミュシャがいました。
(続く)

<本日の絵>
カラ―リトグラフ 72.7×55.2cm ミュシャ 「夢想」(出典:wikimedia commons) 
ミュシャ
本文の中で示したパンフレットの表紙の中で使われているぐらいですから、
ミュシャ様式の典型的な作品として選ばれたのでしょう。

正面から私たちを見つめる丸顔の美しい女性、人物を浮き出す太い輪郭線、
多用される、仏像の光背のような真円、様式化された花飾り、ビザンチン
(?)様式か、どこかオリエンタル服装の装飾、赤ーピンク系、茶色系、青緑
系、灰緑食系など意外に少ない配色ながらグラデーションを駆使して上品で
夢のような作品になっています。


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「木村荘八展(東京ステーションギャラリー再開記念)」訪問(3)

(2)挿絵について:
   今回の展覧会では、永井荷風の「濹東綺譚」、木村荘八自身の
   「東京繁昌記」、同じく「師走風俗帖」の全ての(おそらく)挿絵が
   展示されていました。

   ここで展示されていない、すべての挿絵を見たわけではないので、
   断定はできないのですが、「濹東綺譚」の挿絵が一番緊張感があ
   り、気迫が籠っているように思います。(下の写真、左および右の
   写真の左上)

   以前書いたように、近寄ってみるとなめらかなケント紙の上に、
   緊張のある線描で描かれており、どの挿絵も見ごたえのあるもの
   です。いわゆる油絵のように一点ものの芸術作品とは違い、印刷
   媒体で多くの人の眼に触れるので、いわば商業的な制作物です
   が、これも立派な芸術作品に違いありません。
   (挿絵と油彩画、ポスターと油彩画、現代でいえば、コマーシャル・
   フォトと油彩画に関する芸術性の問題と同じでしょう)
   
        木村荘八展  木村荘八展 

    一方、「東京繁昌記」および「師走風俗帖」では、「濹東綺譚」と
    違い、かなりくだけた描きっぷりです。

    特に前者では、明治時代の写真をもとに描いた作品もあり、楽し
    んで描いていることはわかりますが、姿勢としては自己満足的な
    ものが感じられ、物足りません。

    後者、「師走風俗帖」では、自分の目で見た情景を生き生きとし
    た線描で描いており、こちらのほうが好ましく感じました。

    原画ではなく書籍によるその他の挿絵の展示もあり、それらの
    出来を勘案すると、やはり木村壮八は挿絵の方に軍配をあげた
    いと思います。

    なお、余談ですが、東京ステーションギャラリーを出る時、北口の
    ドーム内の階段を降りるのですが、古いレンガ部分が重要建築
    物(?)に指定されているとのことで、一応写真に撮ってみました。

    また、ドームをぐるりと回る回廊に出ました。ここもスケッチポイント
    の一つと考えてよいと思います。

   木村荘八展 木村荘八展 木村荘八展

             木村荘八展

<本日の絵>
マイブック 京王バス内人物スケッチ
京王バス人物019
最近は、乗り物に乗れば、あまり人物をえり好みせず、
すぐにスケッチしています。お見せするにははばかられ
る出来ですが、不出来なものも含めて掲載していきたい
と思います。

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