新東京駅訪問(2)

東京駅のように、建物そのものに特徴がある場合、基本的に
その建物自体の力強さに絵が負けてしまうので、スケッチの
対象として避けたい気持ちが先に出てしまいます。

古い建物が好きなのに、随分矛盾していると思われるでしょ
うが、それだけ、自分の絵に自信がない証拠とも言えます。

ということで、今回の訪問でいろいろ見てみたのですが、やは
り建物全体像よりも一部を入れて、通勤の人々を描くというと
ころに落ち着きそうです。(例えば、下のように宝くじ販売のbox
など入れて)
東京駅 東京駅 東京駅

以上の東京駅近くから描くという王道から少し離れて、周りの
高層ビルから描くということも、現代では可能です。

そこで、OAZO(丸善)と新丸ビルの7階ベランダに目をつけまし
た。

まず、OAZOです。ビルの内部からガラス越しの東京駅は、あり
得ます。残念ながら西日よけの垂れ幕があり、高いところから
見下ろすことができません。

        東京 東京

次に新丸ビルの7階に登ってみました。改修中の覆いがとれて、
期待通りなかなか良い眺めです。

    東京駅東京駅

あるいは、新丸ビル内からの東京駅なども、結構よいかもしれま
せん。

        東京駅 東京駅

あとは、描くだけです。

今週末、東京ビックサイトにでかける予定があるので、再度下見に
でかけたいと思います。

<本日の絵>
本日の絵は休みます。

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新東京駅訪問(1)

インフルエンザの容体もようやくおさまりました。
ブログを再開したいと思います。

さて、インフルエンザでダウンする直前、石川進造さんの
個展の記事を書きましたが、同じ日、以前から気になって
いた、改造が完了した新東京駅に出かけました。

すでに、新鮮味はないかもしれませんが、今期の教室の
初野外スケッチが、東京駅ですので、おそまきながら下見
を兼ねて出かけたのです。

千代線、二重橋駅を、いつもなら地下道を通って、丸ビル
地下、そしてJR東京駅の地下改札口に直行するのですが、
あえて、二重橋側からすぐに地上に出てみました。

           東京駅

最初から、いい感じです。実際には全く違うにも関わらず、
かつて訪れたアムステルダム中央駅の印象と重なります。
(要は、日本ではなくヨーロッパの都市のイメージ)

   東京駅 東京駅

    東京駅東京駅

外からでなく、中からも駅の装飾が見渡せます。

           東京駅
           東京駅

中でも、ドームの内側の装飾が美しく、つい見上げ
てしまいます。

         東京駅
(続く)

<本日の絵>
本日の絵は休みます。

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お知らせ

一昨日より、不覚にもインフルエンザにかかってしまいました。
しばらくお休みします。
(あくまで希望ですが2、3日中には再開したいと思います。)

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「江戸百景今昔」、大正8年写真模写の試み

東京という都市のスケッチをするたびに、江戸という大都会
を描いた、浮世絵を意識せざるを得ません。

中でも広重の江戸百景は一番惹きつけられます。

最近、図書館で借りた本で、「江戸百景今昔」(大野光政著、
本の泉社、2009年)を読んだところ、これまでにない特徴を
持つ本であることが分かりました。

具体的にいうと、広重が描いた場所がどうなっているか、現
在の写真を示して比べるだけでなく、大正時代に刊行された
「今昔対照江戸百景」の写真が同時に載せられているのです。

例えば「両国花火」に対しては以下の通りです。

          江戸百景今昔

左下に写真があります。大正8年刊行とありますから、関東大
震災以前に撮影された東京の姿です。

ここで、関心を持ったのは、どの写真も絵ハガキの構図を取っ
ていないということです。

実は、明治大正の写真から江戸や、明治初期の東京(都市)を
スケッチ感覚で捉えてみたいという気持ちが以前からあったの
ですが、いかんせんどれも絵ハガキの構図なのです。模写する
にしてもまったく絵ごころが湧いてきません。

この本で、やっと都会スケッチに耐える写真に出会えました。
何か発見があるかもしれません。
しばらく続けてみたいと思います。

第1回は、広重「両国花火」に対応する大正8年ごろの両国です。
  Hiroshige_Fireworks_(version-2).jpg
(出典:wikimedia commons)

<本日の絵>
Dailer Rowney Aquafine 300g/m2 両国花火 「今昔対照江戸百景」写真模写
両国花火105
看板に「サクラビール」とありますが、当時はそのようなビール
があったのでしょうか。
対岸の三層(四層?)の木造建築は何でしょうか。今なら建築基
準法に抵触して建てられないでしょう。

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「石川進造展 旅のスケッチ万華鏡(Ⅶ)桜の旅(3) 」訪問

石川進造さんの標題の個展に行ってきました。
場所は、表参道から少し入ったところです。

     CIMG1271.jpg CIMG1272.jpg

石川さんとは、数年前永沢先生の海外スケッチ旅行(ベトナムの
古都、フエ)でご一緒しました。

もともと、永沢まこと先生の線スケッチを始められていたのですが、
ベトナムでご一緒したころは、今回の個展にみられるような緻密
でしかも色彩豊かな画風に進化する途中だったような気がします。

今回の作品の中の、北海道根室の千島桜の五枚つづりのポストカ
ードを<本日の絵>ご紹介します。

展示作品は、ここにあげた根室の千島桜だけでなく、日本全国の他
の桜の古木もありますが、作者はかなりこの千島桜に強い思いが
あるようです。

ご覧の通り、全作品、桜の花が緻密に画面を埋め尽くしているので
すが、毎回対象に真剣に向かい合っているせいか、視点がそれぞれ
違い、どの作品も飽きを感じさせません。

個人的には、幹に苔がへばりつき、精一杯厳しい自然環境に立ち向
かってこれから花咲こうとしている「納沙布岬の千島桜」(<本日の絵
の写真、最下段右)が、印象に残りました。

ポストカードでは必ずしもよく出ていませんが、実物の作品では、苔の
緑、つぼみの赤、ピンクそして幹の茶紫の対比が美しい。

なお、余談ですが、このギャラリーはとても人気があるようで、三年待
ちだそうです。私の後に会場に入った、予約をしにきた男性に対して、
ギャラリーの予約の現状を担当者が説明したとたん、驚きと落胆の声
が会場に響きました。

東京の貸しギャラリーはどこもこのような状況なのでしょうか。

<本日の絵>
石川進造氏水彩画 ポストカード 千島桜シリーズ
CIMG1276.jpg

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「新宿御苑プラタナス並木」を塗り直しました

昨年、秋の新宿御苑スケッチに関し、教室の講評会で
ダメだしをもらった経緯を昨年記事にしました。

明日の新宿AとB教室の合同講評会が迫っています。
修正して臨まなければなりません。
以下、修正した内容を書きます。(<本日の絵>に修正版
を示します。)

まず、下に当時の絵を示します。

            新宿御苑プラタナス並木スケッチ

さて、修正をどうするか。先生のアドバイスに沿って、

 1.手前の幹の線を太くする
 2.右2本のプラタナスの葉っぱの緑を塗り
   直ず。
 3.木の影を濃くする。

以上の手直しをしました。

先生からは、木々の葉っぱの色に特色がないと毎回指
摘されるのですが、どうやらこれは色に対するセンス
の問題で急に手直しできるものではありません。

色のブラッシュアップは断念です。

結局、修正したのは、手前のプラタナスの葉っぱと奥
の木の葉っぱが見わけがつくようにした程度です。

疲れました。これで、ここで止めたいと思います。

<本日の絵>
アルシュ 全紙 新宿御苑プラタナス並木
新宿御苑H24秋

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墨の塗り心地を楽しむ

昨日の記事で予定を書いたように、「神代植物公園のユリノ木林」
に対して墨による塗りを試みました。
一応、完成品の写真を<本日の絵>に示します。

墨など、小学生以来使ったことがなかったので、まず墨選びから
して不安でした。

昨年末、世界堂へ行って選んだのは、呉竹社の水墨画用「墨の
香」(黒系)です。
初めは、とても硯で墨をするなど出来ない、安価な墨汁にしよう
と思ったのですが、「水墨画用」というタイトルに惹かれて、それ
なりに高価なこの製品を買ってしまいました。

横道にそれますが、使ってみて正解!と思いました。筆にその墨
を浸して、容器の壁をなぞると、これまで、透明水彩絵の具では
感じたことない、なめらかな感触なのです。

このなめらかな墨の感触を楽しみながら、塗ることができました。

さてその前に、墨絵風に塗るにはどうしたらよいのか。これもまっ
たく見当がつきません。

たまたま図書館で借りていた雪舟の「山水長巻」の本を熟読して、
いろいろ検討してみました。

          640px-Long_landscape_Sesshu_Toyo(縮小)

その結果、
1)墨の濃淡を駆使する
2)緑や赤などの色を一部使う
ということが分かりました。

その線で、おそるおそる塗ってみました。
墨の濃淡を使うことは、なんとか出来ましたが、
一部色を使うことはかなり難しい。

遠くに見えるユリノ木の黄色のが印象的だったので黄色を使うこ
とは決めていましたが、あとは赤を使うにとどめました。


あとは、土曜日の講評での評価を待つばかりです。

<本日の絵>
アルシュ 全紙 神代植物公園ユリノ木林
神代植物公園完成写真
上の絵は、時間がないので、写真で撮ったものです。
近々、スキャンした正式版を紹介します。

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スケッチの”描き”初め

昨年末の腰痛からくる足の麻痺がひどく、しばらくスケッチを
するどころではありませんでした。

今週の土曜日、スケッチ教室が始まるので、何とかしなくては
と、今年はじめてスケッチにとりかかることにしました。

昨年、未完成のまま放置していた全紙の「神代植物公園ユリ
ノ木林」です。
             神代植物公園ユリノ木スケッチ

地表近くの樹木と人物、さらには樹肌を描き込んで白描の完成
です。(<本日の絵>を参照ください)

人物はドラマチックな仕草を入れようと思っていたのに、いつ
もの通りの普通のポーズの人物を描いてしまいました。

今後、
1)一部彩色にする
2)墨を使って、薄塗りを加える

などを考えていますが、これまでやったことがないので、どう
なることでしょうか。

<本日の絵>
アルシュ 全紙 神代植物公園ユリノ木林(途中経過)
途中経過写真(白黒)

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「美術にぶるっ! ベストセレクション 日本近代美術の100年」(8)

(7)戦争画

   この展覧会では、「戦争の世紀に1」「戦争の世紀に 2」
   のタイトルで、戦争画が展示されていました。

   第二次世界大戦に描かれた戦争画は、私の若い時代には、
   大手を振って議論することはタブーという風潮があったように
   記憶しますが、近年になっていろんな角度から取り上げられ
   るようになったようです。

   戦争を賛美する宣伝だとするのか、純粋に美術品として見る
   かで態度が分かれるようですが、私としては、純粋に美術品
   として見ることにしました。

   まず、最初の部屋の御厨純一の「ニューギニア沖東方敵機
   動部隊強襲」。

   部屋に入ったとたん、この作品の大きさに驚かされます。
   しかも、個人の内発的な動機で描く芸術作品にはない異質な
   ものを持っており、何か気おされるような気持ちになりました。

             美術にぶる

   そして、誤解をおそれず言えば、この空中戦は、単なる写真で
   は得られない美しさを感じます。
   同時に小学生になりたての頃、雑誌「丸」に載った戦艦や戦闘
   機の写真を模写して喜んでいたときの気持ちを思い出しました。

   次の間では、やはり巨大な作品が並びます。中でも、藤田嗣治
   の「アッツ島玉砕」、

      美術にぶる 美術にぶる

   中村研一の「コタ・バル」、宮本三郎の「山下、パーシバル両司
   令官会見記」に目が行きます。

      美術にぶる 美術にぶる

   藤田嗣治、中村研一の作品では、群像の力を感じます。
   特に藤田の作品は、まるでルネッサンス期の人物群の絵画の
   ようで、あきらかに第一級の力量を感じます。

   宮本三郎の作品では、そのたぐいまれなるデッサン力に基づく
   人物描写を間近にみる事ができました。

   以上、戦争画の間では、明治から昭和初期までに歩んだ、西
   洋絵画の潮流と同じ流れが、突然逆流し、古典的な絵画世界
   に戻った感じがしました。

<本日の絵>
本日の絵は休みます。

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「美術にぶるっ! ベストセレクション 日本近代美術の100年」(7)

(6)都会の情景

  線スケッチでは、都会の情景は、欠かせない対象です。

  その観点では、木村荘八の「濹東綺譚」の挿絵は、線スケッチを描く
  者なら、見逃がすことはできないでしょう。にもかかわらず、これまで
  原本を見る機会はありませんでした。

  ところが、この展覧会では、12枚も原本が展示されていたのです。

 美術にぶる 美術にぶる 美術にぶる

  眼鏡を取り、顔を数センチにまで絵に近づけ、食い入る様に見た結果、
  (監視の人はさぞかし怪しんだことでしょう)、この絵の凄みは、絵その
  ものにもありますが、恐ろしいほどのスピードの線描にあることが確認
  できました。ペンの走りがスムーズにいくように、わざわざつるつるの
  表面を持つ紙を用いているのです。

  展示されていたのは、「風景を描く」のコーナーです。

  そこでは、岸田劉生、佐伯祐三、長谷川利之、松本竣介の作品が並ん
  でいます。
  同時に、藤牧義夫と谷中安規の版画が並んでいました。
  
  彼らは、いずれも若くして亡くなった画家たちですが、おそらく偶然でし
  ょう。

  けれど、私には「風景を描く」という副題には少し抵抗があります。
  なぜならば、木村荘八も含め、このコーナーの作品の大半は「都市」を
  描いているからです。

  展覧会の企画者が「都市」という切り口を意識していないのは残念です。  

<本日の絵>
本日の絵は休みます。

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