「国宝 燕子花図屏風 2011」展

土曜日の午後の教室に行く前に、根津美術館を訪問しました。
最初の予定では、午前中、東京三十六景展のスケッチポイント
を確認するつもりでしたが、あいにくの雨模様だったからです。

「国宝 燕子花図屏風 2011」展を開催中というのが第一理由で
す。ただ根津美術館が新しくなってから、一度も訪れていない
ので、どのようにリニューアルされたか知りたかったことも手
伝いました。

玄関前で、黒い背広で、姿勢の良い支配人風の初老の紳士が、に
こやかにパンフレットを配ってくれたのには驚きましたが、普段
もそうなのでしょうか。

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        Irises_screen_1.jpgIrises_screen_2.jpg
        (出典:wikimedia commons)

線スケッチの立場からは、今回の展覧会への感想は特にありま
せんでした。(もちろん国宝の燕子花図屏風や、吉野龍田図屏
風は見ごたえがありましたが)

あえて言えば、古代中国の青銅器の展示に惹かれました。
大型の饕餮文様の青銅器が展示されいるのですが、どれもかな
りの逸品ぞろいです。台湾の故宮博物館で見たものと、昔
京都国立博物館で見た青銅器の記憶で比較しても、かなり美的
にすぐれたもののように思います。
根津自身か、それとも購入担当者の審美眼か、大変すぐれていた
のだなと思いました。

青銅器の独特の形と、表面の呪術的な饕餮文様を、ついスケッチ
したい誘惑にかられました。


<本日の絵>
マイブック 仙台愛宕神社の枝垂れ桜
仙台愛宕神社桜123 

愛宕神社の震災跡を見にいったときに描いた枝垂れ桜です。
桜の花に近寄って描いたのは今年はこれが初めてです。
結びつけられているおみくじの紙も一緒に描いています。

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榴岡公園の花見事情 震災後の仙台生活(22)

愛宕神社の桜の記事でも書きましたが、今年の榴岡公園
の桜をこんな沈鬱な気持ちで迎えるとは思いませんでした。
見事な枝垂れ桜をスケッチする気でいたのです。

日曜日、今年の花見はどうなっただろうか、気になり出かけ
ました。

晴天の下、どこもかしこも桜の花が華やかに咲いています。
神社の桜を見た後、公園の敷地に入りました。みごとに、桜
の花が連なっているのが見えました。
しかし、雰囲気は昨年とまったく違います。

大変な量の屋台が、この場所に連なっているはずなのです
が、ありません!

どうやら、屋台は自粛したようです。
けれど、桜の木の下には大勢の花見客が。ホッとします。

静かなお花見もよいものです。東京の上野の花見は、まだ震
災の記憶が生々しい時期で、浮かれる気持ちにはならなかっ
たのが、最近は復興気分が出てきたのか、被災地仙台にも関
わらず、人々は、明るい顔でお酒を飲み、語り合っています。

おまけに、桜の木に、大きなカナダ国旗を掲げ、大勢の外国人
(おそらくカナダ人)と日本人が歓談しています。
何か、支援にかかわる人たちでしょうか。

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そのうち、雀躍りの鐘、太鼓の音が聞こえてきました。
5月の青葉祭りが中止になったので、少しでも気持ちを盛り上
げようということでしょう。

広場の先には、歴史民俗資料館(旧陸軍歩兵第四連隊兵舎)
がいつもと変わらない姿を見せました。けれども、そばに近寄る
と、建物が右に傾いています。ここにも、震災の爪痕が残って
いました。

    CIMG5255.jpg CIMG5291.jpg

最後に、公園の正門近くの広場に進みました。
にぎやかな歌声が聞こえ、屋台のテントが数は少ないですが
人々が集い、お祭り気分が少し味わえました。



<本日の絵>
マイブック 新宿三丁目ジョナサン店内
新宿ジョナサン124

深夜高速バスで新宿に朝早く着いたあと、新宿三丁目、新宿御苑
入口近くのジョナサンに入ったときの店内風景です。
新宿で夜遊びしたあと、大勢の若者が、ドリンクバー一つで粘って
います。彼らをそっと描きました。

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二度目のヌードデッサンの成果は?

土曜日は、新宿教室で、ヌードデッサンがありました。
前回のヌードデッサンから数えて2回目の経験です。

人間の身体は、一つとして直線がなく、しかも、すこし
でも狂うと、人の眼はそれを逃しません。
心底、難しさを感じます。思い描いたようにいかない自分
が、いやになります。

とはいえ、写真のように正確無比に描くことができたら
どうか。
これまた、絵の魅力を殺してしまうことになると思われ
ます。

このあたりが、昔から画家は苦しんできたのでしょう。
ただそれは、プロの話であって、私の場合は、そんな口
をきける立場ではありません。まず基礎が大事です。

前回のモデルさんは、均整のとれた方で、その立ち姿を
重心の移動を反映させて描くことが難しかったことを覚
えています。

今回は、胸や胴体がふくよかなモデルさんだったので、
描きやすかった上、立ち姿ではなく膝まづいた姿は、全体
を捉えやすかったようです。

自分でも、2回目にしては、比較的うまくプロポーション
を捕まえることができたと思います。

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いずれにせよ、人の身体はつきぬ魅力が(怖さも)ありま
す。


<本日の絵>
登米119
登米の武家屋敷の色塗りを終えたというところです。
特に、コメントはありません。塗っただけというところで
しょうか

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Daler Rowney Aquafine、色塗りの感触は?

このところ、震災後の暮らしの記事を続けてき
ました。

そろそろ本来のスケッチの記事に戻したいので
すが、いかんせん、震災以来仙台では、まった
くスケッチをする気持ちが起こらないのです。か
ろうじて、東京に行ったときに何とか描く努力を
していました。

ここで、<本日の絵>をご覧ください。
Daler Rowney Aquafine 254x178mmで描
いた作品です。

震災後、東京で初めて描きました。

今年、厳密にいえば、確か2月に、新宿世界堂で、
真新しい水彩紙が売り出されていました。
それが、この水彩紙です。(下の写真、右)

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これまで、見たことも聞いたこともない紙です。
「円高還元」といううたい文句に惹かれたのも事実
ですが、(実際、愛用しているワットマンの半額以
下です。)興味を持ったのは、その大きさです。

昨年後半から、ワットマンのSMサイズを使いだした
のですが、腕をまわして大きく描くことができず、半
分不満に思っていたのです。SMとF4の間がないか
・・?

今回の水彩紙は、B5というサイズです。(厳密には
B5ではないかもしれませんが) もちろん、それ以
上の大きさもあります。

と長々と書きましたが、すでに結論がでました。
少なくとも、私にとっては、ワットマンと同等です。

このサイズだとSMとは比べ物にならないほどペンが
気持ちよく紙面を走り、色塗りは、ワットマンに近い
発色です。

今後使っていこうと思います。


<本日の絵>
Daler Rowney Aquafine 254x178mm 馬事公苑のクリスマスローズ
馬事公苑クリスマスローズ120
クリスマスローズの紫とも赤紫ともいえる色がうまく出ました。
エジプト模様のあるプランターの色も満足できる発色です。

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愛宕神社から米ヶ袋界隈:桜と被災 震災後の仙台生活(21)

それでも、歩を進めるとまたもや、子供たちが、桜
の咲く川沿いの公園で遊んでいます。

ここで、ふと気がつきました。東京では、こんなに
年齢の違う子供たちが、一緒に遊んでいる風景を
最近見ることがないことを。

もうはるか昔、ガキ大将を中心に、上は中学生から
下は小学1年生ぐらいまで遊ぶ風景がそこかしこに、
ありましたが、ここ仙台には残っているのだと思うと、
感慨がわきます。

テレビでは、復興の希望を子供に見る報道が増えて
きました。本当に、そのとおりだということを強く感じま
す。彼らにこそ、明らかに未来があると。

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以前、ご紹介した放送大学の周りのつぶれた塀は、
真新しい塀になりましたが、魯迅下宿あとの古い
家は、ブルーシートがかけられたままです。

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この日は、このまま自宅に戻ることにしました。


<本日の絵>
Daler Rowney Aquafine 254x178mm 青葉城大手門土塀被災
青葉城大手門土塀121
被災跡の色塗りをどうするか。ペインズグレイで強く影を
つけて、真新しい白い塀を際出したつもりですが、影の
スキャンがうまくいかなかったようです。あまりコントラスト
がでていません。それでも、少しは伝わればよいのですが。

なお、この水彩紙では初めての色塗りです。ワットマンと
同じような発色が得られたのは幸いでした。

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愛宕神社から米ヶ袋界隈:桜と被災 震災後の仙台生活(20)

愛宕神社をあとにし、もと来た道を戻り、愛宕
大橋から、広瀬川沿いに米ヶ袋界隈を歩くこと
にしました。

橋の中ほどから、青葉城方向を見ると、ほどよ
く桜の花が川沿いに咲いています。

特に震災の被災の雰囲気はありません。

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子供たちが、桜の花の下で、元気よくサッカーに打
ち興じているのをみると、どこに震災などあったのか
と忘れそうです。

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けれどけれど、ごらんください。子供たちの広場か
ら、数百m進むと、広瀬川の川岸の崖が無残にも
崩れているのです。

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驚くのは、崩れたがけの近くに、一軒家やマンション
がたち並んでいます、住人は、これまではさぞかし、
眺望を楽しんだでしょうが、今は逆に恐怖が迫って
いるのではないでしょうか。

ショックだったのは、昨年マイブックで描いた古い旅
館の建物が、崖崩れで途中まで転落している姿です。
重機が中に入って修復しようとしていましたが、膨大
な土が崩落していますから、かなり時間がかかること
でしょう。
(続く)


<本日の絵>
SM ワットマン 根津の路地
根津118
路地は、派手な色がない代わりに、ねじれた電線が
言うに言われぬ味をだします。
この場合も、家並みだけでなく、電線に惹かれました。

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愛宕神社から米ヶ袋界隈:桜と被災 震災後の仙台生活(19)

しっかりと、見事にそれは咲いていました。
9か月前には、葉だけだったあの桜です。

けれど、やはり足元までブルーシートがかけてあり、
そばに行けないのではと思いましたが、幸い私が描
いた物見台は無事です。

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描いた同じ場所で上を見上げると、思っていた以上に
それはつつましく咲いていました。花は小粒で、満開
にもかかわらず、空が透けて見えます。

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下に降りて説明を見ると、花の種は、「エドヒガン」。
野生種です。樹齢350年とありました。

どおりで、貫禄があるはずです。

野生種のせいか、ソメイヨシノにない奥ゆかしい趣があり、
江戸時代の花見までしのばれました。
(続く)


<本日の絵>
マイブック 新宿御苑正門入口横花壇
新宿御苑正門横116
マイブックのつらいところで、可憐な青色の花を描いたつも
りでしたが、見分けられなくなっています。

何か工夫が必要なのですが、水彩紙にコピーして、色塗りを
するしかないのでしょうか。

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愛宕神社から米ヶ袋界隈:桜と被災 震災後の仙台生活(18)

階段を上り始めました。特に異変はありません。

30歩、歩むまでは。

階段の両サイドには、赤いポールの上に灯篭が
載っているはずです。
しかし、30歩過ぎから上の灯篭にはすべて灯篭
部がありません。おそらく振り落とされたので
しょう。

その数100? 数え切れません。さらに歩むと、
またもや違和感が。
見慣れない赤い二本の柱が出迎えます。
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近づいて分かりました。鳥居の無残な姿です。
平成になってからの建設ですから、ここまで壊れ
るとは、よほど激震だったのでしょう。

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山の上に出ると、ブルーシートがお迎えです。
以前は、端まで近寄って、仙台の街を見下ろすこと
ができたのですが、崖崩れが起きたようです。
そばに近寄れません。

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桜がどうなったか心配になってきました。
(続く)


<本日の絵>
マイブック   西新宿 ロイヤルホスト
西新宿ロイヤルホスト117
仙台行き深夜高速バスの出発を待つ間に、この
レストランで時間をつぶしました。
使ったリブのインクが切れかけて、かすれた線に
なってしまいましたが、構わず描きました。

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愛宕神社から米ヶ袋界隈:桜と被災 震災後の仙台生活(17)

日曜日、仙台市、五橋地区から愛宕神社へ向かいました。
前回の記事の<本日の絵>で紹介した、あの愛宕神社です。

9か月前、描いた巨木が桜ということで、4月に桜を必ず見に
行こうと、春が来るのを楽しみにしていました。

ところが、今回の震災で、日本中花見の気分ではなく、ここ
仙台でも、市内を歩くたびに、よりその気持ちが強くなります。
愛宕神社をこんな気分で再訪するとは、思ってもいませんで
した。

まず、五橋地区から注意深く建物の様子を見ながら、歩き始め
ます。

すると、やはり古い瓦屋根の家屋は被災しています。

まずは、華僑のための会館。屋根が崩れています。そして、神社
の灯篭が倒壊。屋根がひんまがった古い商店。
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一方、近代建築もよくみると被災しています。五橋地区は、マン
ションが立ち並びますが、さすがに構造がやられている例はあり
ません。
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けれども、やはりありました。タイルの剥落です。うまく、補修
できることを願います。

そうこうしているうちに、愛宕大橋を超え、愛宕神社の参道の入
り口に出ました。

           DVC00067.jpg
(続く)


<本日の絵>
マイブック 青葉城大手門跡土塀被災
青葉城大手門跡被災115

前々回の記事、青葉城界隈の被災でご紹介した、大手門跡
土塀の崩れです。被災した場所を描くのはこれが初めてです。

被災の現場を描くのは、不謹慎という思いがあり、普通は描け
ませんが、この土塀ならば人が住んでいた住居ではないので
許されるだろうと、記録も兼ねて描きました。

この線描では歴史的場所の廃墟のように見えますが、崩れた
土と内部の木や、崩れていない部分の真新しさが異様な雰囲
気を醸し出しています。廃墟ならば、郷愁にふけりつつ美くし
感じるのに、不思議です。

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藤崎百貨店開店! 震災後の仙台生活(16)

生活くさい話になりますが、普段利用しているお店が
閉まってしまうと、そのときになってはじめてありが
たみがわかります。

震災前の、わが日常の利用三羽ガラスは:

一に藤崎、二に藤崎、三にTomod'sというわけで、肝心
の藤崎が開店する様子がなく困っていました。

日曜日(10日)に動きがありました。

まず仙台三越が開店しました。
同じ百貨店です。幸先よし。

      仙台三越開店

そして、これも朗報。ダイソーが開店。
(ただ、入口のタイルが無残にはがれています。)
よほど待ちこがれていたのか店内は人で一杯です。

      ダイソー開店

いよいよ、わが藤崎が開店かと期待しましたが、
無情にもドアはしまったまま。

そして、一昨日ついに開かずのとびらが開きま
した。開店です。

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さっそく、地下の食料品売り場へ。特上の寿司、
500円引きをゲットして夕食にします。
一月ぶりにおいしい寿司を味わいました。ビール
ののどごしもあいまって至福の時間でした。


<本日の絵>
全紙 アルシュ 仙台愛宕神社からの眺望
仙台愛宕山眺望
昨年の9月に線描を終えましたが、ようやく塗りの完成です。半年後に被災するとは
つゆにも思いませんでしたが、高層ビル群、よくぞあの震度を耐えてくれました。

ただ、以前書きましたが、手書きでビルを描くと自然に傾きます。もし、現実にこん
なビルがあるとおそらくめまいがするだろうなーと、今度の震災できづいた感覚です
が、この絵を見るたびに思います。

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