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終了しました! TOKYO三十六景展2nd(4)

14日は、TOKYO三十六景展の最終日です。

平日にも関わらず、たくさんの人が訪れました。
けれど、ポストカードの売り切れのを示す札が
多くなり、見た目も寂しげです。

16時に、ついに閉会。ただちに撤収作業にかかり
ます。

撤収後の、打ち上げまでの時間を利用して、各人
からのアンケートの集計を行い、また来年の予定
が先生から発表がありました。

やはり、第三回を行うようです。

N先生の今回の経過を熟慮しての決定なのでしょう。
「三十六景展3rd」と題しますが、「おそらくfinalか」と
配られたNews Letterにあります。

人気映画シリーズで、初心を忘れず、マンネリを避
けることが難しいように、この展覧会でも、来年は
同じことが問われます。

それがあってのことでしょう。N先生から、あらため
て以下の基本姿勢の念押しがありました。

1)写生を基本とする。すなわち現場描き。
2)線描を基本とする。観察力と決断力の源。
3)都市を描く。現実生活の生きた情景。

ただ、先生からのもう一つの大事なメッセージ。
「この基本姿勢があるかぎり」線が消えてもよいと。

線スケッチだから線で書くという形式的な教えではなく、
基本姿勢の背後にある考えをベースに、各人の可能
性を許容していくところがこの教室のよいところではな
いでしょうか。

もっとも、かえって言われた本人はどうしてよいか
わからず迷いに迷ってしまうのですが。

また、迷いの1年が始まります。



<本日の絵>
アルシュ 全紙 上野アメヤ横丁/ヨドバシカメラビル遠望
上野アメヤ横丁、ヨドバシカメラ(修正)(縮小)2

今回出展した作品です。以前、途中経過を記事にしましたが、
当初の作品の色塗りが失敗したので、描きなおしました。
やはり、よく言われるように、最初の線描より、ビルの線描
がおとなしくなって、面白くなくなりました。
色塗りも、もはや厚塗りの勇気はなく、薄塗りに徹したつも
りでしたが、迷いが出たようです。反省です。

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「バ バ バ展」、Jack K さんの個展訪問

TOKYO三十六景展、3日目の夕方、一昨年、ベト
ナム、フエの海外スケッチでご一緒した、Jackさん
の個展に行ってきました。

  吉祥寺ギャラリー  吉祥寺ギャラリー3

「東京大学馬術部との5年」の副題にある通り、馬尽
くしの内容でした。

これまでのJackさんからは、まったく予想もしていな
かったモチーフです。

けれど、味わい深い線描のタッチ、渋みを利かせた、
全体の色調。これらは、健在です。

なかでも、馬と人物の組み合わせの絵がどれも素晴ら
しい。どの人物も何か静かなドラマを感じさせます。

展示方法にも、Jackさんの個性がキラリ。床に、敷き
詰めた作品の上にビニールが敷かれ、踏みながら鑑
賞するという趣向です。

        吉祥寺ギャラリー2

最初は、作品を靴で踏むなんてとたじろぎましたが、
よく見ると、スケッチブックの作品をコピーしたもの
です。

少し安心しました。

見終わって、外に出ると、吉祥寺の夜の賑わいが。
スケッチがしたくなり、雑踏の中でサムホールを広げて
スケッチしました。


<本日の絵>
ワットマン サムホール 吉祥寺 サトウ
吉祥寺(サトウ)447
吉祥寺のお肉屋さん。揚げ物を外で売っている様子です。
大行列が進むので、人物を描くのに大忙しでした。
夜景をどうするかが課題です。

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手作りリフォーム:マットの力 TOKYO三十六景展2nd(3)

額の縁の色だけでなく、マットの入れ替えも今回盛んに行
われました。

マットの場合、絵の大きさに対する幅と色が大きな影響を
与えます。

以前から、グループ展では、絵そのものだけでなく、さま
ざまな額縁の種類、マットの色が隣に並ぶのでよく注意し
なければならないことをN先生から聞いていました。

縦型か横型の作品どうかでも印象が異なるそうです。

ですから、共通の額を用意できる個展と違い、隣り合わせ
の絵の状況で、自分の絵が予想もできない影響を受けて
しまうというのです。

今回、その典型的な例として、ckさんの作品があります。

写真では小さいのでわかりにくいでしょうが、六本木ヒル
ズからの眺望を半円形に描き広げた、意欲的な作品です。

ところがリフォーム前の作品を前にしての皆さんの意見は、
意欲作であることは認めるのですが、最後に何か言いたい
ようです。

東京三十六景(マット交換)

原因は、そのマットにありました。マットが白いのです。しか
も蛍光色をおびて「てかって」います。

一方、左隣のMさんの池袋の絵もマットは同じ白。この場合、
絵の中の白と紺のコントラストがマットとと調和して、絵が映
えます。

ところが、これに引きずられて、ckさんの絵は、白い面積の
中に半円形の絵が埋もれてしぼんで見えました。

悪いことに、右隣はNさんの縦置きの新宿西口の絵。濃いマ
ットの縁取りで、これまたckさんのマットが浮いてしまう結果
になりました。

ckさんの決断は早く、翌朝には写真に示す、緑がかったグレ
ーのマットに変身していました。

みごとに、両隣の絵に埋もれず、ご自身の絵も本来の作品の
凄みが生き返りました。しかも両隣をいれた三作品もそれぞ
れが平等に主張して調和がとれたように思います。

以上は、かなり個人的な主観が入っていますので、違う見方
の人がいるかもしれませんが、マットを変えてよかったという
のが、全員共通の声でした。

今回は、before-afterを実地に見ることができて大変勉強にな
りました。


<本日の絵>
本日の絵は休みます。

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マイブーム:手作りリフォーム TOKYO三十六景展2nd(2)

今年の作品の特徴は、部屋に入るなり、すぐ実感
できました。

それは、前日展示準備に参加された人達から、異
口同音に:

1.格段に昨年より、水準があがっている。
2.個性を出す意欲がどの作品もあらわれている。

という出た声と同じ実感です。

事実、パーティーの挨拶で、N先生から「各人なりに、
水準が上がった」というコメントがありました。

単純に水準が上がったというのではなく、「各人
なりに」という表現が、各人の水準の時間的経過を
頭の中に入れていて、水準が上がったということなの
で、自分の絵をきちんとみてくれているのだなあとい
うことが生徒に伝わります。

ちょっとした気遣いの言い方です。このあたりがN
先生の魅力の一つかもしれません。

もうひとつ、今回N先生の一言からはじまった一大
ブームをご紹介します。

それは「額の手作りリフォーム」です。

下に、特に効果が実感できた例を示します。
(著作権の問題があるので、すみません、絵は避け
て額の方を示します)

東京三十六景(フレーム貼り) 東京三十六景(フレーム貼り)2

左は、「緑」の紙テープを貼った例。右は、「ピンク」
の紙テープを白の枠の上に。
(この安上がりなテープ貼り付け法を発案したのは、
今回東京ミッドタウンを出展したMさん。この簡便さ
が受けてあっというまにブーム化しました)

左の例では、主役の桜の樹木の緑と額の緑が相呼
応して、ない場合に比べて、本当に絵が締まり輝き
ました。

右の写真では、もし作るのであれば勇気がいるピン
クの縁取りの額があっというまにできました。

その結果、この絵の見どころの一つ夕日の赤、ピン
ク、茜色に染まった空と絶妙にマッチして、これまた
縁取りがない場合に比べて心地よい視覚効果が出た
と思います。

(続く)


<本日の絵>
本日の絵は休みます。

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TOKYO三十六景展2nd はじまりました! (1)

10月9日土曜日、10時半新宿教室の授業が始まりました。
場所は、新宿三丁目 世界堂6Fです。

  東京三十六景3  東京三十六景 
(左はNさん作成のポスター、右は始まる前の会場風景)

いよいよTOKYO三十六景展がはじまったのです。
正式な開場は、午前11時ですが、新宿教室10月期の授業
の開始日でもありました。

30分ほどの講義は、個展の開き方、N先生の個展に対する
基本的な考え方をお聞きしました。

ある意味では、このグループ展が実地の授業となります。

私は残念なことに、前日の展示作業に加わっていません。

参加された皆さんのお話しを聞くと、作品の分類、並び順、
額の色、マットの色、両隣の作品との関係など、実に様々な
ことを考えて並べ方を決めていくのだそうです。

そのときの先生のお話しを聞くことが、生きた授業として、
大変ためになると前回も聞きました。

「まことに残念しごく」という気持ちです。

とはいえ、今回は三連休。たっぷりと先生のお話しを聞く機
会が増えるものと思います。


<本日の絵>
本日の絵は休みます。

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人柄と仙台の人々(最後に)  「下澤木鉢朗版画展」(3)

そもそも、今回展示されている作品は、第1回の記事に
ご紹介したご婦人(S夫人)が所有されているものです。
(と確か伺いました)

今までは原紙のまま保管し、額装は今回初めてしたそう
です。

どういうご関係なのでしょうか。共催の「おてんとさんの
会」とは何? なぜこの時期に?

なぜ、晩年の下澤氏は画壇に背を向けたのか?
なぜ忘れられてしまったのか?

などなど疑問がわいてきます。

結局、最終日にS夫人に直接お伺いして、ようやく
次のようなことがわかりました。

・初代「おてんとさんの会」会長だった天江富弥さん(故
 人)が東京時代から下澤氏と親しかった。
 (「おてんとさんの会」は児童文化運動の会だそうです)

・天江氏が仙台に移ってからも、下澤氏は頻繁に仙台に
 来て、天江氏がおこした「おてんとさんの会」のメンバー
 とも交流。一種のサロンであり、皆が下澤氏を支援した。

・S夫人のご主人もそのメンバーであり、下澤氏を厚く支
 援し、今回の絵を下澤氏から寄贈された。残念ながら20
 年前に亡くなった。

・S夫人は、いつかは仙台で下澤木鉢朗の展覧会を開くと
 いうご主人の意志を継ぐと同時に、忘れられているこの
 時期に、下澤木鉢朗の名を知らしめたいという思いで、
 この版画展を開催した。

ということのようです。

それにしてもなくなって二十数年も経つというのに、これ
だけゆかりの人たちが熱心なのはなぜでしょうか。

どうやら、人柄あるいは木鉢朗の生き方にヒントがあるよ
うです。

S夫人によれば、おだやかな人柄だったとのこと。一方、職
人肌で頑固な一面があったと在りし日の木鉢朗について、
まるでその場にいるかのように訪れる人たちに話されてい
ました。

下の写真からはいかにも職人肌の雰囲気が伺えます。

          下澤木鉢朗6

そのころは、林間学校で子供たちに版画を教えたり、もくも
くと句作や版画に打ち込み、ふらっと旅に出て各地で絵を描
き、また気心のしれた、仙台の人たちのところに舞い戻って
くるという生活だったようです。

ですから、画壇に背を向けるといったような、斜に構えた態
度ではなく、気心の知れた理解者に恵まれて、気持ちのおも
むくまま、画業一筋の人生をつらぬいた自由人であったよう
に思えます。

確かに、当時の現代版画の動向や、棟方志功のような才能が、
ほとばしる版画と比べれば時代遅れだとみなされても仕方が
ないでしょう。

意地悪い人から見れば、時代が彼をおいてきぼりにしたとい
うのでしょうが、はたしてそうでしょうか。

今の時代、むしろ木鉢朗の作品のほのぼのとしたやさしさ、
彼の生き方、心の自由に、ホッとする人は多いと思います。

むしろ、時代が彼を迎える時が来たと言えるのではないでし
ょうか。

S夫人や関係者の思いにつられて、思わず長い文章になって
しまいました。

木鉢朗の作品にまた出会えることを期待してこの記事を終え
たいと思います。


<本日の絵>
本日の絵は休みます。

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「ほのぼの」の中に潜む画才  「下澤木鉢朗版画展」(2)

作品は、四つの種類に分かれます。

1)風景画、 2)人物画、 3)静物、 4)画文

       下澤木鉢朗4

大半が版画です。(一部、水墨画がはいっているかもしれ
ません)

一見すると、どの絵もやさしく、自分でも描けそうに思え
ます。
けれど近寄って子細にみると、いずれも工夫が凝らされ
ているのがわかりました。

種別に見ていきます。

1)風景画:山肌の木々の表情(樹木)を出す、彫りの
      表現が独特。(ススキの葉の様などいろいろ)
      彩色も民話を思わせ郷愁をさそう和の配色。
      ある意味では、山下清、谷内六郎、現代では
      原田泰治に共通する何かを感じます。

2)人物画:これはどれも素晴らしい。かつて西洋が驚い
      た、浮世絵独特の「線」と「フラットな色彩」
      による表現で、対象の人物の性格をとらえてい
      ます。

      残念ながら図でお示しできませんが、個人的
      には東京国際版画ビエンナーレ出品作の「唄う
      子」が、構図もさりながら、子供の服の赤と亀
      甲型の文様の青緑色との対比が印象的で、見あ
      きない作品です。

      「推(?)華堂像」は、線描の力強さとゴッホ
      の人物像かと見まごうばかりの色彩に強い印象
      を受けました。

3)静物:どの静物も、微妙なデフォルメと配置(構図)が
     プロの力量を示しています。

     吉田博と同様、自彫り、自摺りで制作しているの
     ですが、(正確には、後年お抱えのプロに負かし
     たのですが)吉田が摺りの飽くなき追求を感じさ
     せるのに対し、ごく自然な出来栄えです。
     けれど、全体を眺めると、色合いも含め神経が隅
     々に行きとどいていることが感じられます。

     下図は、版画なのか水墨画なのか、あるいは版画
     と墨絵の組み合わせという新しい試みなのか。
     墨のぼかしと版画の摺りが微妙な効果を出してい
     ます。
       下澤木鉢朗5

4)画文:「花12カ月」というシリーズが展示されていました。
     (この記事の最初の写真の中に作品があります)
      最初は、俳文との組み合わせかと思いましたが、
      よくみると、著名人の筆跡をそのまま彫って摺った
      文章と花の版画を組み合わせたものです。

      由来はよくわからないとのこと。
      花の版画は、小品ですが完成度が高くそれ単独で
      も十分です。
(続く)


<本日の絵>
本日の絵は休みます。

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発見! 「下澤木鉢朗版画展」(1)

下澤木鉢朗という画家をご存じでしょうか?

明治三十四年、弘前生まれ。画家としては、先日
取り上げた、公募展に落選し続けた田中一村と違
い、戦前の帝展や国画会に入選し、水彩画家や版
画家としても活躍し、郷里の先輩として、棟方志功
をして、画家を目指させた人物
です。

しかも、志功が、後年版画家になることを決心さ
せることとなった、版画家、平塚運一に引き合わ
せる重要な役割を演じているのです。

戦後、志功らとともに日本版画院を結成、昭和三
十年代まで著作や東京国際版画ビエンナーレ展出
品など活躍。

けれど次第に俗世界の栄誉を求めず、放浪の旅を
しながら句作と版画に明け暮れた晩年をすごし、
最後は仙台の地で、86歳の生涯を終えたとのこと
です。

以上が略歴ですが、正直まったく私は知りません
でした。

話は、10月3日の日曜日にさかのぼります。

「TOKYO三十六景展」の作品を額装のために武蔵工
房さんに宅急便で送った後、取次店の真向かいにあ
東北工業大学一番町ロビーにふらっと立ち寄りまし
た。

入口には「下澤木鉢郎版画展」とあります。

下澤木鉢朗3 下澤木鉢朗2 下澤木鉢朗

いつものように、個人の趣味でやっている版画展ぐら
いの気持ちで、入ったところ、作品を見て驚きました。

いずれの作品も私のような素人が描いたものではなく、
只者ではないことにすぐ気がついたのです。

入口の略歴を読み、会場の奥におられた品の良いご婦
人に、作者とこの版画展を開かれた動機について尋ね
ました。

実は、私が知らないのも道理、前半生の輝かしい経歴に
もかかわらず、現在ほとんど語られることはない人物の
ようです。

したがって、本展覧会は下澤氏を支援したゆかりの人た
ちが、仙台市民に木鉢朗を再発見してほしいとの願いを
込めて、開いたそうです。

さあ、それでは作品そのものに入ってみましょう。
(続く)


<本日の絵>
本日の絵は休みます。


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リヴィエール/コバーン/福原信三 <パリ写真>の世紀(2)

今橋氏は、版画家のアンリ・リヴィエールが、当時、
パリの芸術家から嫌悪された、「醜悪な」エッフェル
塔を、北斎の「富嶽三十六景」にならって描いた「エ
ッフェル塔三十六景」を新たな都市美表現の試みで
あるとします。

さらに、江戸から富士を描いた浮世絵の富嶽図は、逆
に富士を借景とした都市図であったと指摘し、「エッフェ
ル塔三十六景」もまた、エッフェル塔を借景とした新し
いパリ風景の試みであると言います。

富嶽三十六景を都市図とみるという発想は、意外です。

結局、それがリヴィエールに従来と違う都市の見方を
見出させたということになります。(以前、ゴッホの「星
降る夜」のところで似たようなことを書きました


          今橋暎子2

実際、リヴィエールは、「四季それぞれ、しかも雨、
雪、夕暮れ、夜とあらゆる天候や時間の相のもとに」
エッフェル塔を背景にパリを描き、新たなパリの都市
美を、同時代の誰よりも早く感じ取って版画に定着し
たというのです。

それはいいけれど、いったい、写真とリヴィエールの
関係はどうしたの?という声が聞こえそうです。

実は、リヴィエールはこのエッフェル塔を建設中から
写真を撮った先駆者だというのです。しかも、それら
をもとに版画が製作されたということです。

塔と新しい都市美の表現、写真と絵との関係。本質
的な関係がリヴィエールの版画に潜んでいました。
(線スケッチの仲間が最近盛んに東京スカイツリー
を、描いているのも、新たな時代の都市美の表現と
考えてよいのでしょうか)

なお、この序章で、アメリカ人写真家、コバーン、資生
堂社長の福原信三が取り上げられており、ここでも興
味深い議論がなされています。

さらに、はるか先には、ブラッサイ、ドアノー、ブレッソ
ンという素人の私にも耳にしたことがある写真家たち
の話が続きますが、それについては将来の機会にし
ます。



<本日の絵>
本日の絵は休みます。

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リヴィエール/コバーン/福原信三 <パリ写真>の世紀(1)

この2週間ほど、仕事でほとんどブログに向かう時間がな
かったのですが、本日午後ようやく解放されました。

このところのスローペースを以前のペースに戻すのに四苦
八苦しています。
言い訳はこれまでにして、本題に移ります。

これまで線スケッチの視点、特に「線描」の観点で、新版画
の作家たちをとりあげてきました。

一方、線スケッチのもう一つの特徴、「都会スケッチ」の関連
から、写真、特にスナップ写真にも昨年から気にかけている
のですが、なかなか手がかりがありませんでした。

木村伊兵衛アラーキーの都会を切り取る写真を見ながら、
いったいこれらのスナップ写真と私たちの、というよりもN先
生のいう「都会スケッチ」と何が違うのか、面白い問題だと
思ったからです。

いつもの通り、借りた本を返しに仙台メディアテークの図書
館に行き、写真関連の書棚で今橋暎子著、「<パリ写真>の
世紀
」を手に取り、最初のページからめくってみました。

         今橋暎子

今橋氏の著書は大部のため、今までは敬遠していたのです。
(少々学術的な記述も敬遠の理由の一つですが)

ところが、序章のタイトルの中にある人物の名前に目が奪われ
まさにきかっけをつかみかけた気がしました。

「序章 江戸の記憶・都市の映像-リヴィエール/コバーン/
福原信三」

リヴィエールです。何度も、このブログで取り上げた、フランス
の版画家です、

なぜ、写真の本に?
(続く)

<本日の絵>
本日の絵は休みます。

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