仙台城隅櫓・桜スケッチ 仙台桜事情(2)

曇りがちの空ながら、雨は降る気配がないので、
以前から眼をつけていた、スケッチポイントを
目指しました。

大橋を望む

場所は、「仙台国際センター」横、仙台城旧「二
の丸」入口の「仙台城隅櫓」を望む場所です。

仙台城隅櫓

実は、昨年すでにスケッチした場所ですが、櫓
の建物の一層と二層の高さの比を間違えてしま
い、気にいらないのでそのまま打ち捨ててある
のです。

リベンジです。

おあえつらえむきの場所に桜が満開です。はやる
心を押さえて、他の場所を廻ってみました。

仙台国際センターの西側の道路の上に桜の木が
見えます。そこは、二の丸跡。

登ってみると、広い敷地の中に、いろんな種類
の桜が、見ごろになっています。けれども、休
日というのに人影もまばらで、勿体ない限りで
す。

二の丸

結局、隅櫓を見通す桜に決め、さっそくマイブ
ックで筆(ペン?)慣らしをしてF8サイズで描き
始めました。

2時間描いたところで雨が降り始め、いったん家に
もどり昼食をとりました。3時過ぎ雨がやんだので、
もとにもどり、線描を完成させました。
<本日の絵>を参照ください)


<本日の絵>
F8 ワットマン
仙台城隅櫓桜ブログ用

仙台城隅櫓を望む桜の線描です。
午前中しっかりしていた花も、雨のあと
戻るともう散り始めていました。




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都市の時代:版画、リトグラフ、挿絵 「マネとモダン・パリ」展(4)

昨年来N先生の基本にある「線描」の見方に導かれて、
川瀬巴水や小村雪岱ら、新版画や挿絵画家たちの絵
を見てきました。

共通して言えるのは、死後日本ではほとんど忘れられて
きたことです。

なぜなのでしょうか。

版画、挿絵自身の評価が低い。

おそらくそれは、刷りや印刷を通じて、大衆を相手に
消えていくべき絵とみなされているからなのでしょう。

結局、新版画でも伊藤深水や挿絵の鏑木清方のように、
「本画」を描き、権威ある展覧会に出展するかしない
かが分かれ目のようです。

一方、マネも権威にこだわった画家です。徹底的にサ
ロンにこだわった。
にもかかわらず、権威者を逆なでするような絵を描き
続けた。不思議な人です。

不思議と言えば、彼の版画、リトグラフです。

たとえば、エドガー・アラン・ポーの詩「大鴉」の有名な
挿絵があります。

黒カラス
(出典 wikimedia commons)

挿絵は、他に5点ほど展示されていて、本当に日本画の
素描そのものです。
しかし、日本画と違って、墨の色より強い黒色で、こち
らにせまってきます。

中でも、人物スケッチ、街スケッチ(都会スケッチ)が
すごい。
疾走する辻馬車、競馬と観客席のリトグラフの線描は、
スピード感あふれ、圧巻です。

どうやら、彼は、サロンに出展している油彩画と同じ
くらいリトグラフに対して本気です。

街スケッチ、都会スケッチ、しかもこれをプリントに
する。そしてサロンの権威者ではなく、万人に自分の
素描の感動を伝えたい。

これは、江戸時代に、都市(江戸)が成熟し、人々の
関心が国内旅行に向き、広重の浮世絵、東海道五十三
次や江戸百景が江戸市民に受け入れられたのと同じよ
うに、パリの改造が進み、都市文化が成熟しつつあっ
たのと同じではないでしょうか。

意識したかどうかはわかりませんが、現代パリの面白
さを素早くスケッチするマネは、現代東京を線スケッチ
している、私たちの先達ではないかという気すらして
きます。

恐るべし、マネ。

ああゆる点で、時代を先取りしていました。


<本日の絵>
F4 ワットマン
テーブルスケッチ(鶏)

前期の教室で、野外スケッチの日、雨になったので
N先生の自宅でテーブルスケッチになり、描いた絵の
完成版です。(線描のみの絵は以前ご紹介しました
テーブルの色の再現が悪いので、色調を正確にお伝
えできないのは残念ですが、今回めずらしく色塗りは
満足しました。
最近1年間、F8以上のサイズばかり描いてきたので、
このサイズの楽しさに目覚めました。最近はF4も
持ち歩いています。


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寒い! 仙台桜事情

大阪、京都、東京の桜を描き続けてきたので、
仙台を抜くわけにはいきません。

ところが、仙台でのスケッチは、昨年の秋から
止まっています。

理由を考えると、戸外の寒さにあります。
今年は本当に寒く、おまけに、晴れの日が少な
い。
氷雨やみぞれ交じりの日でとてもスケッチ
する気がしません。

北海道には、数多くの線スケッチャーがおられ
ますが、冬は野外スケッチに苦労していると、
3月のN先生の桜スケッチ展に、来訪された方が
言われていました。

現在、仙台の桜が見ごろになりつつあります。
たとえば、

(1)榴ヶ岡公園の桜、枝垂れ桜

榴ヶ岡公園2
   この枝垂れ桜は、<センダイシダレ>でないことを
   確かめました。

榴ヶ岡公園1
   遠くに見えるのは昔の陸軍の官舎で、昨年
   スケッチしました。


(2)魯迅の下宿のそばの公園から霊屋橋を望む

伊達廟遠望
   ソメイヨシノもあり、右手に政宗の公墓、瑞鳳殿
   があります。昨年からスケッチポイントと思って
   いましたが、少し月並みかも。


(3)東北大学片平キャンパスの桜

片平キャンパス桜
   東北大学片平キャンパスには、枝垂れ桜と桜があり、
   黒松の並木とあいまって独特の表情を持ちます。


はたして、この寒さに打ち勝って、仙台の桜を
スケッチできるでしょうか?


<本日の絵>
本日の絵は休みます。

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水彩原画の巴水、版画の巴水 川瀬巴水木版画展

マネの続きを書く予定でしたが、急きょ変更する
ことにします。

朝、NHKのニュースを見ていると、手賀沼制作80周年 
川瀬巴水木版画展
の画像が突然出てきました。
そのときに、版画ではなく、肉筆水彩画が映されたの
です。

川瀬巴水木版画展

以前、どこかで書いた気がしますが、巴水のスケッチは、
スケッチというよりも、版画の設計図のようで、個人的
には残念に思っていました。

ところが、二ユースで流れた図は、これまでみたものとは、
まったく違います。本格的なもので、気合いが感じられま
した。

場所は、柏の高島屋、なんと明日(26日)で終了だと言って
います。。

お昼は、青山で昼食をとる予定です。柏へは、表参道、千
代田線で一本でいけます。ランチをとった後、さっそく
駆けつけました。

驚いたのは、初刷り、後刷り合わせて200枚近く、しかも
肉筆原画と版画が対になって、数多く展示されているので
す。(おまけに入場料が無料でした)

肉筆画と版画をこれほど数多く展示した例ははじめてでは
ないでしょうか。
(どれだけ数が多いか、末尾の「追記」(続き)にデータを載
せます。
少しこだわりすぎと思いましたが、目録がなく、またこれほど
のチャンスはないと思い、一つずつ書き写しました。ご関心の
ある方はご参照ください)

新版画の創始者、渡邊庄三郎の三代目、渡邊章一郎氏の
トークショーも合わせてたっぷり3時間をすごしました。

結論をいいます:

やはり川瀬巴水の版画に勝るものなし。水彩画の原画は版画
に劣る。

言いたい放題で巴水に失礼なことは十分承知ですが、両者を
隣り合わせに並べてあるので、素人の私にもわかります。

それほど、どの組み合わせも版画の完成度が高いのです。

唯一の例外は、「信州 木崎湖」です。お見せできないのが
残念ですが、両者ゆずらず、ただ湖上にみなぎる空気感、周
囲の森を横切る霞の詩情を感じた分、原画の方が一歩勝ると
思いました。


<本日の絵>
本日の絵は休みます。

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「黒」のマネかマネの「黒」か 「マネとモダン・パリ」展(3)

3月のN先生のサクラ!桜!展でのトークショーで、
印象に残った言葉があります。

すべての色の中で黒は特別だというのです。黒以外
の色は、面を表し、黒は(うろ覚えなのですが確か)、
後ろにひっこむと色だと。黒の線描の効果を話され
ました。

今回、改めて実物の絵をみると、最初の印象は、黒、
黒、黒です。「黒」のマネ。マネの「黒」です。

前記事のベルトモリゾの肖像も、その衣装は黒一色で
した。

けれど間近にみると、単純ではありません。べったり
塗られた黒から、自在にあやつる筆遣いの黒まで多彩
であることがわかります。

(今回、舐めるように下から上まで眺めまわしました
から間違いありません。もっとも変なおっさんと周り
から見られたと思います)

これまで教科書や画集の写真で、印象派に比べて、
「暗い」、「古臭い」と思いこんできた彼の絵が、まった
く違うものに思えてきました。

たとえば、下の「温室のマネ夫人」です。

マネ夫人
(出典 Wikimedia commons)

衣装の黒い線描は、上からなぞりたくようなスピード感
があり、自分が線スケッチをしているような気すらしま
す。

黒で輪郭された衣装の部分は、どうみても、日本の版画
ですね。
(この展覧会では一番気に入った絵です。グレーという
よりは、薄いあずき色の服装と背後の緑と白い花、ショ
ールが、荒いタッチで描かれ、マネ夫人の顔がくっきり
と浮き上がり、シックで魅力的です。)


<本日の絵>
新宿御苑八重桜

24日の午後の新宿教室が始まる前に新宿御苑に行ってきました。
御苑一面八重桜が満開で、花見をしている人に混じって、マイブッ
クに八重桜を書き始めました。ところが、もう時間がない!

途中で放り出し、教室へ急ぎました。空白だらけです。
苦肉の策で、左ページに月を描き、全面塗りつぶして夜にする
ことにしました。

こんなに嘘を描いたのは初めてですが、こういうのもゆるされるの
でしょうか

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ベルト・モリゾのどの絵がいい?  「マネとモダン・パリ」展(2)

本美術展のポスターになっているくらいですから、
ベルト・モリゾをモデルとして描いた下記の絵は
目玉なのでしょう。

ベルト・モリゾ
(出展:wikimedia)

こちらを見ている彼女のまなざしは、知的で、
何か決意を秘めているように見え、インパク
トを感じます。

けれども今回、数多くの彼女をモデルにした
絵が出品されていて、(確か5つか6つ)それ
ぞれまったく印象の異なるのです。

マネは彼女をモデルにさまざまな実験をして
いるかのようです。

中でも、下記の絵が一番気に入りました。

ベルト・モリゾ肖像
(出展 wikimedia)

写真では、なかなか分かりづらいのですが、
黒の衣装が漆黒に塗られ、この写真では感
じることが出来ない勢いのある筆遣いが見
られます。

さらに、この黒の衣装に対して、背景の緑
が映えて、全体に落ち着いた、心地よい
色感です。
これは、写真、印刷コピーではとても伝え
ることのできないものです。

ついでにいえば、教室ではN先生は、人物の
「手の表情」がとても大事だと言います。

この絵の手の表情が、彼方を見つめるモリゾ
の表情とマッチしているように思います。


<本日の絵>
本日は休みます。

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三菱一号館美術館開館! 「マネとモダン・パリ」展(1) 

今回は、一週間も間をあけてしまいました。

ここ2週間は、連日連夜、ある仕事で、根を
詰めてきたので、外の世界はまったく視野に
入らない状態でした。

本日その仕事が一段落ついて、周りを見渡す
と、仙台でもいつのまにか、桜が満開です。

そして今、マイブックを久しぶりに開けてみると、
10日前に、三菱一号館美術館の「マネとモダ
ン・パリ」展
の感想が殴り書きされている
のが見えました。

マネ展

当日は、午前中、大岡山で仕事をすませ、午
後は、新宿、京王プラザホテルで仕事、その
あと仙台に帰る旅程でした。

土曜日の野外スケッチで使ったF10の入った
荷物を持って、ホテルに行くわけにもいかず、
東京駅のコインロッカーに荷物を預けるときに、
この美術館のことを思い出したのです。

というわけで、はじめての三菱一号館武術館
詣でです。

正直、ベルト・モリゾがこちらを見つめるポス
ターから、「笛を吹く少年」や「オランピア」
など、教科書でいやというほど見たマネを思い
出し、必ずしも喜んで入ったわけではありませ
ん。

そうなのです。

あまりにも見慣れてしまい、先駆者マネも印象
派も若干食傷気味で、気が乗らなかったのです。

けれど、線スケッチをはじめてから、最近、絵の
見方がまったく変わりました。正確にいえば、これ
まで見えていなかったものが見えだしたという感じ
です。

今回も、そのとおりになりました。

マイブックの書きなぐりの一節を紹介します。

・「当初、古臭い・・(ああ あの画家か)」
・「とんでもない。「びっくり」その現代性・・
  線スケッチの(N先生の)精神そっくり」
・ マネ;反逆児は本物だった。
・ 挿絵、大カラス、黒の「黒」べったりしかも
  線を感じる。墨絵でもない。

書きなぐりなのでわかりにくいですね。
自分でも、そのときどのような考えから書いたのか
わからないところがあります。

次回以降、振り返って考えてみたいと思います。


<本日の絵>
本日の絵は休みます。


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なぜ「仙台」桜? 多摩森林科学園(4)

マイブックで練習したのち、F10サイズで本格的に
スケッチしました。
写真は、途中経過です。枝垂れ桜を書くのがやっと
でした。東屋と、集まる人びとを描く必要がありま
す。

仙台枝垂れスケッチ

ところで、「仙台」「仙台」と桜で興奮してしまった
割には、肝心の桜の由来を知りません。

今日、あらためて、パンフレットを見なおすと、なんと
まだ「仙台」桜がありました。

森林科学園パンフレット

すでに紹介した「仙台屋」「仙台枝垂れ」に加え、「仙台
吉野」です。見逃していました。

インターネットで調べてみると、「仙台屋」は、実は、
高知の桜となっています。
高知の仙台出身のお店「仙台屋」の庭にあるのを、牧野
富太郎博士が命名したそうです。間接的には、仙台ゆかり
の桜といってよいでしょう。

仙台枝垂れ、仙台吉野はともに、仙台産と考えて良さそう
です。
仙台は、桜はこれからですので、探してみようと思います。


<本日の絵>
本日の絵は休みます。

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「仙台枝垂れ」を描く 多摩森林科学園(3)

降りそそぐ日差しに汗をかくころ、ようやく最初
の集合場所に着きました。

そこは半円形に椅子が階段状に並び、尾根筋と谷
に植えられた桜が見渡せる場所です。

桜見下ろし

午後3時に同じ場所に集合することが決まり、一同
散会しました。

パンフレットでは、「仙台屋」とは別のもう一つの
「仙台枝垂れ」は、はるか谷底にあり、もはや下りる
気力はありません。

フラフラと落ち着かない気持ちで歩き出すと、前を
教室仲間のFさんが歩いています。

進入禁止の立て札もものかわ、(歩道で歩行者が進入
禁止の札にはじめて出会いました)、Fさんは谷へ向
かって下りていきます。

一方通行歩道

もちろん当方、Fさんについていく気力はなく、平坦
な大通りという安易な道を選びました。すると、200m
先に、桜がありますとの表示が。

近寄っていくと、あずま屋の隣の木に人々が集まって
います。枝垂れ桜にしては、花が大ぶりで、くっきりと
大きく、色も赤くはありません。

仙台枝垂れ全体

人々の称賛の声を聞きながら、眼を下にやると、な
んと「センダイシダレ」とあるではありませんか。
これはラッキー。

仙台枝垂れ表示

これで決まりです。ここしかありません。さっそく、
持ってきた弁当で腹ごしらえ、マイブックを取り出
して、スケッチを開始しました。(<本日の絵>を
参照ください)

 実は、このあと、教室仲間のSさん、Nさんがこの桜
に気付いて近づいてこられたのですが、仙台ゆかり
ということで、私に遠慮して離れていかれました。

内心、感謝しつつ、この桜を独り占めにすることが
できたのでした。


<本日の絵>
仙台枝垂れ

F10の本格を描く前に、マイブックでまず、練習し
ました。いつものことですが、見られることを意
識する、いわば、構えて描くために線が固くなる
本格に比べて、線が生きているように思います。

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「仙台屋」「仙台枝垂」、桜スケッチ 多摩森林科学園(2)

いよいよ、森林科学園でスケッチポイントの
探索です。
けれど、はじめての場所なので、どの場所が
よいか、皆目見当がつきません。

最初に、広い園内のどこがよさそうか、森林
科学園の桜パンフレットを見ながら、先生の
解説を受けます。

どうやら、アップダウンが厳しく、また園内は
広いので、安易な気持ちで行って戻るだけで
も疲れが出そうです。

と、手元の桜パンフレットをふと見ると、桜の
種類で、「仙台屋」「仙台枝垂れ」の文字が目
に飛び込んできました。

なんと! これは? 多摩に来て、「仙台」?

けれどこの場合、なぜ仙台かの興味よりも、
別の意味で内心喜びました。

そう、現場も見ないのに、スケッチポイントは
決まりです。これしかありません。

「仙台」桜を描く!

おあつらえ向きに、パンフレットでは、その桜は
先生お勧めの道端にあります。

というわけで、山道をあるくと、まず、「仙台屋」
が現れました。

仙台屋

ところが、残念、花のそばに近づけません。

パンフレットによれば、これから向かう場所まで、
「仙台」桜はありません。
内心、「こまった」と思いながら、上に向かいま
した。


<本日の絵>
本日の絵はお休みします。

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