士林夜市スケッチ探検 台北出張(3)

初日は、1日会議で朝から夜まで、みっちりと
会議で、室内に缶詰でした。歓迎ディナーを
終えるともう夜の9時半。

ところが、司会者が、近くに、台北最大の夜市
があるので、是非行ってみてくださいとのアド
バイス。

寝不足で、眠いのをこらえて、雨の中を夜市
探検にでかけることにしました。

地下鉄、チェンタン駅までは暗い夜道をあるき
ますが、駅に近づくと、次第に明るさが増し、
ついには、左手に煌々と蛍光灯が輝く「美食
広場」が現れます。100件以上の屋台が入って
いる一大市場です。

美食市場

目的は、夜市なので、さらに大通りを進みます。
すると、一連の屋台がつらなる夜市が見えてき
ます。ひとの波と騒音でお祭りのような騒ぎ
です。
夜市


行きつ戻りつ、スケッチポイントを探しました。
赤、ピンク、緑、青、黄色など原色があたり一
面を覆い、浅草とアメ横と大きなゲームセンタ
ーを併せたような、なんとも猥雑な世界が眼前に
広がります。

Jungle Cityというビルに入り、エスカレータ
から見下ろす絵柄がおもしろく、F4のスケッチ
ブックに描くことにしました。

よるが遅いのに、子供連れの母親が大いのに
驚きました。

結局2時間描いた後、人物は写真に取ることに
して、夜市をあとにしました。


<本日の絵>
本日の絵はお休みします。

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清方vs.英朋、雪岱 鰭崎英朋展(3)

泉鏡花をめぐる挿絵画家、鏑木清方、鰭崎英朋、
小村雪岱のうち、なぜ後世に鏑木清方の名前が
残ったのか。

理由は、鏑木のみ、日本画に転身したからという
ことになっていますが、なぜ日本画家に対して、
挿絵画家は低くみられ、後世に名前が伝わらない
のかというところまで踏み込んだ解説はあまり
みることがありません。

今回、たまたま鰭崎英朋展の説明文の中に、以下
の解説文をみつけました。

 解説文には、画家、田代光の、「挿絵というの
は、足場のない職場のようなものだ」という言葉
があり、画壇という確固たる職場との違いを示唆し
ています。

つぎに岩田専太郎の言葉を取り上げ、「挿絵画家
には椅子が無いんだ」「現役であることが、その
位置」と続けます。

挿絵画家は「現役」でなくなったら、あっという間
に、台頭してきた若手にとって代わられ、役目を終
える。忘れられても仕方のない存在なのだというの
です。

絵を生業とする人々の間には、いわゆる職人と芸術
家を両極端とすると、その間に様々な位置付けの人
々がいて、それらの人たちがなぜ忘れられてい
ったかを考えることは、今私たちが描いている線ス
ケッチのモチーフ(都会スケッチ、現場スケッチ)
と位置付けを考える上で大きなヒントになりそうで
す。

少し、堅苦しい話になりましたが、最後に、美人画の
絵葉書を、3枚(鰭崎英朋の作2枚と竹久夢二の作1枚)
を買って、気持ちよく美術館を出ました。

英朋画


<本日の絵>
本日の絵は休みます。

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印刷されてはじめて完成する芸術 鰭崎英朋展(2)

タイトルは、鰭崎英朋展で、印象に残った解説文から
とりました。

「印刷されて、はじめて完成する芸術・挿絵」

挿絵というのは、初めから

   ・印刷の効果を考える
   ・制限時間内に完成させる
   ・時代考証が必要
   ・小説の内容に合わせる

ことを前提で成立するものだ、と解説文は説きます。

これを読んだ瞬間、これまで考えていた挿絵作品に
対する私の見方が誤っていたことを悟りました。

これまでは、挿絵を芸術作品としてみようとしながら、
知らず知らず、原図が本物で印刷されてマスとして、
販売された商品は、コピーなのだという見方をして
いました。

けれど挿絵の本質がわかりました。本物は、あくまで、
印刷されたものにあるというのです。

確かに、紙の上に印刷された作品とみれば、版画と同じ
です。伝統の浮世絵と近代印刷物も基本は変わらないの
です。

まさに眼から鱗とはこのことです。

知らず知らずのうちに、これまでの世の中の見方に、
私自身刷り込みをされていいました。

まだまだ、挿絵の分野は奥が深いようです。



<本日の絵>

東京駅スケッチ

仙台へ帰る新幹線の待合室で、マイブックに描きました。
あいかわらず、女性を魅力的に描くことができません。
なかなか、魅力的な女性でしたが・・・。

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ワーカホリック挿絵画家 鰭崎英朋展(1)

前の職場の近くで、毎日のように通っていたのに、
ほとんど行くことがなかった、弥生美術館を訪
ねました。

小村雪岱展で鰭崎英朋展が開催中であることを
知ったからです。

弥生美術館

線スケッチを描き始めてから、こうも関心をもつ絵
が変わるとは思いませんでした。

鰭崎は、小村同様、いわゆる芸術画家としてではなく、
生涯を挿絵画家で通したのですが、改めて、日本画家
と挿絵画家の差は何かという問いに対してヒントを得る
展示と解説満載の展覧会でした。

小村がワーカーホリックだと前の記事で一方的にきめ
つけてしまいましたが、売れっ子挿絵画家の忙しさを
裏付ける面白いデータが展示されていました。

鰭崎最盛期のある日のスケジュールのメモです。

以下に引用します。

  大阪毎日 二枚   一時間
  娯楽口絵 一枚   一時間半
  挿画   一枚   一時間
  演芸口絵 一枚   五時間
  文芸挿絵 二枚   二時間
          計 10時間半

なんという素早さ、日ごろの訓練とはいえ、あの華麗、
複雑な挿絵をかくも短期間で完成させるとは。

自分が実作しているからこそ、このようなメモに眼が
行ったのでしょう。

小村雪岱展で直感した挿絵画家のワーカホリック振りが
確かめられました。


<本日の絵>
マラケシュのバス停 560x760mm アルシュ
マラケシュのバス停

モロッコスケッチ全紙の完成版です。とはいえ、講評では、
空の塗りと雲の描き方が問題と指摘されました。
どう直したものか、思案中です。





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「小村 雪岱とその時代」展

先々週の木曜日、モロッコスケッチの講評会に
参加する前に、埼玉県立近代美術館に寄り、
「小村 雪岱とその時代」展を見たことを書き
ました。

時間が経ってしまいましたが、期待以上の内容
でしたので、線スケッチの観点で、気付いたこ
と、感じたことを書いてみます。

田村せったい展

1)全体に、展示の内容から、学芸員の企画
  への思いが見る者に伝わってきました。

2)雪岱は、36歳ごろ挿絵を一度描いて、
  失敗し、46歳で改めて挿絵を描いて評価
  され、わずか8年後、54歳で生涯を終える。

  膨大な量の質の高い挿絵の作品がこのよ
  うな短い期間で作られたことを、はじめ
  て知りました。
  挿絵以外の仕事も続けていますから、か
  なりのワーカホリックと思います。

3)挿絵画家が、基本的に日本画家のような、
  いわゆる大家にくらべて、低い位置にみ
  なされるている現状をどう考えるか。

  素晴らしい作品挿絵原画が、新聞社から
  ほとんど返却されることがなかったこと
  が、その扱いを示しています。
  あらためて考える必要がありそうです。
  (浮世絵、世俗を描くこと、本格画家は、
  都会を描かないというN先生の言葉をヒン
  トに)  

4)彼が打ち込んだ挿絵にしても、舞台美術
  にしても、制約の中で作られることに喜
  びを感じているように見えます。
  それは建築設計やものづくり設計と相通
  ずるものがあります。
  
5)時には心を和ませるために、描いた仏画は、
  原画ならではの生の線とあいまって強い印
  象を受けました。

6)個人的なことですが、大正、昭和初期?の
  神田冨山房ビルの装丁画があったのが、
  印象的でした。現代のビルには、仕事で
  よく通ったのですが、昔のビルのなんと
  艶っぽいこと。当時の建築装飾のこだわり
  が、少しでも現代にあったならなぁー。

7)挿絵の原画はもどらないと書きましたが、
  名高い「おせん」の挿絵の中で、5点ほど、
  原画をもとに、書きなおした作品が展示
  されていました。毎日連載に追われて、時
  間の制約の中で書かれた挿絵にくらべ、
  美的にははるかに完成度が高いものです。

  けれど、時間の制約の中で書かれた作品が
  劣るというものではないでしょう。

  版画ほどではありませんが、世の中の要請で
  作る作品と、芸術作品とを比べるよい事例
  のように思います。



<本日の絵>

本日の絵は休みます。

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お台場、国際展示場「ビッグサイト」

昨日(17日)より金曜日まで、お台場、国際展示場
「ビッグサイト」に、仕事で詰めています。

9月に行われる要京36景展のスケッチポイントの候補
として、以前紹介した、東京駅近辺の他にお台場、
国際展示場からの眺めを挙げていました。

お昼休みを利用して、スケッチを試みました。
そのときの眺めを示します。

国際会議場からの眺め

手前に棕櫚の木、近くには水、船着き場と船、ゆりかもめ
が入り、遠景に観覧車、フジテレビ本社、名前はわからな
い門の形をした青いビル、ヨーロッパの城の形をした、
高層マンション、とお台場の定番が入った絵ができるはず
です。
しかし、あまりにも当たり前すぎる風景になるかもしれま
せん。

夕方、ツインタワーの間に真っ赤な大きな夕日が沈みゆく
幻想的な景色が広がりました。このような景色を描かない
といけないでしょう。


<本日の絵>
本日の絵は休みます。

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大岡山と牛込神楽坂訪問

土曜日と同じく、またしても昨日、氷雨の中
を都内にでかけました。

行先は、大岡山の東京工業大学です。

途中、自由ヶ丘で乗り換えたのですが、数年前、
K子先生の読売カルチャースクールの教室に
通っていたころが懐かしく思い出されます。

大岡山は、3年前にも駅前の変貌におどろきま
したが、今回も真ん前に現代的なビルが建って
いました。

大学と蔵前工業会が共同で建てた「蔵前会館」
そうです。

この蔵前会館を下見するのが、出張の目的の一つ
ですが、ついスケッチポイントを探す眼でみてし
まいます。

この「蔵前会館」は、残念ながら絵ごころをそそる
タイプの建物ではありません。

仕事を終え、ますます激しくなる雨の中を、牛込
神楽坂へ急ぎます。予約済みのイタリアレストラン
「カルミネ」が行き先です。

それでも、飯田橋から歩く夜の神楽坂界隈は、なか
なか雰囲気がよいものです。

ただ、以前神楽坂でイタリア系フランス人に連れて
行ってもらったお店と思って予約したのですが、
どうやら間違いで、別の店を予約してしまったようです。

それでも店内は、イタリアのレストランの雰囲気で、
感じがよく、土曜日に描いたテーブルスケッチのまだ
描きこんでいない部分に、この店の椅子とテーブルを
描くことに決めました。



<本日の絵>
F10 ワットマン
マラケシュの塔

一応、完成のつもりですが、先週木曜日のモロッコ
スケッチ講評会では、空の塗りのあまさと雲の不自
然さが指摘されました。もう少し手を加えて、直す
必要がありそうです。

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「野外スケッチ」一転、「テーブルスケッチ」

本日の天気予報(仙台)は、日中晴れ。

朝6時半に身支度して、いざ東京、新宿御苑の野外
スケッチに出発です。

天気予報通り、仙台の朝は明るい曇り。日射しさえ
感じます。幸先よし。いざ出発・・・。

と、いさんで仙台駅発ちましたが、その後がいけま
せん。

福島まではよかったのですが、那須から宇都宮にい
たると、空はどんよりと曇り、いまにも降りそうな
気配。

案の定、大宮では、本降りに。新幹線から下を見下
ろすと、路上には傘の花が咲いています。

追い打ちをかけるように、東京駅では、みぞれまで
交じり、万事休す。

楽しみにしていた、御苑の「野外スケッチ」は、一
転して、N先生の自宅での「テーブルスケッチ」とな
りました。

とはいえ、「テーブルスケッチ」をあなどるなかれ、
生徒の皆さんの途中経過の作品は、工夫と創意にあ
ふれ、実に奥が深いことが分かりました。

恐るべし、「テーブルスケッチ」。

参考までに、わがテーブルスケッチの途中経過を
<本日の絵>に掲げます。

夕方まで続いた講評終了後、中央線快速に乗り、東
京駅へと急ぎました。

目指すは、以前紹介した丸の内のブリックスクエ
アの三菱一号館一階のカフェです。

実は、前回の教室で、9月に行う東京38景展の候補
スポットとしてこの場所に名乗りを上げたので、是が
非でも下見をしたかったのです。

大枚2000円を払って、サンドウィッチと生ビール、
グラス一杯を食べながら、飲みながらのスケッチ
の開始です。

三菱一号館カフェ

しばらくすると、支配人(それともボーイ長?ある
いはウエイター長か?)が寄ってきて、部屋内部の
木彫装飾の素晴らしさを、熱っぽく語ってくれます。

どんどん、写真やスケッチをしてもよいと、最近
にはめずらしい、ありがたいお言葉。

復元されたこの部屋とお店をこよなく愛しているの
が伝わり、気持ちよくスケッチできました。

またくるぞ!


<本日の絵>
F4 ワットマン
テーブルスケッチ
最初に練習した時に比べて、鶏が大きくなりすぎて、
失敗したと思いましたが、ままよと描き続けると、
意外に収まりました。
一昨日見た、小村雪岱の黒白の魅力が頭にあり、
思い切って、黒で塗り潰してみました。

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モロッコスケッチ講評会終わりました。

講評会の前日の夜は、いつもぎりぎり滑り込みです。
モロッコスケッチもやはり同じになってしまいました。
旅行画集の原稿20部を刷り終わったのが午前4時。

2時間半仮眠をとって、8時過ぎには、もう新幹線に
乗り込みました。

降車駅は、東京ではなくまず大宮です。

なぜなら、本日中にどうしても、埼玉県立近代美術館
の「小村雪岱」の展覧会を見なければならないから
です。
小村雪たい展

展覧会は期待にたがわずどころか、企画がしっかり
とした予想外に素晴らしい展覧会でした。

この展覧会については日を改めて記事を書きたいと
思います。

講評会は、N先生の自宅で、午後1時開始、埼玉県立
近代美術館のある北浦和から駆けつけました。

個展を開催中の北海道のKさんと、緊急の用事で、
急遽欠席となったKRさん以外は、全員出席です。
ひとしきりおなかを満たした後、講評会が始りま
した。

自分の作品のときに緊張するのはもちろんですが、
他の人の作品についても、いろんな角度からのコ
メントを聞くことは、その人の立場になって考え
るので刺激になります。

今回持参した作品に対して、N先生より、線描に
ついてはなんとか合格点はもらえたものの、色塗り
がありきたりだである、空の雲の描写が、線描に
比べて雑だという厳しい指摘を受けました。

指摘されれば、なるほどと思うものの、これが簡単
には直せないのが人間のよわさです。

修練を重ねて得られるものなのか、感性が突然変わら
なければ得られないものなのか。

理屈ではないので、模索していくしかありません。


<本日の絵>
フナ広場 F6x2 ストラスモア
フナ広場(彩色)

空の色を塗って完成させました。雲はやはり、一工夫必要です。

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「芹沢 介の仏画」展

今日の仙台は、雪が舞い散る寒い昨日とうっ
て変って、朝から日がさんさんと輝く一日と
なりました。

太陽が当たる、午前中から午後1時ごろまで、
モロッコスケッチの色塗りを続けました。

空の塗りをのぞいてほぼ目処がついたので、
気になっていた、「芹沢 介の仏画」展
出かけました。

場所は、市の中心部から北西の、東北福祉
大学、芹沢介美術工芸館で本年1月9日
から1月15日まで開催されています。

最初に寄った仙台メディアテークから、徒歩
で約30分と予想して歩き出したのですが、
太陽は降り注いでいるにもかかわらず、風の
冷たいこと。閉口しました。

けれども、途中、国指定史跡、林子平の墓に
行き当たったのは儲けものでした。

林子平墓

周り一帯は、林子平の名前をとった、「子平町」
です。日本では、人物の名前を冠した町名は、
あまりないような気がするのですが、どうでし
ょうか?

子平町を抜けると、そこは東北福祉大学前、凍っ
た坂道を転びそうになりながら、キャンパスを
のぼると、2号館が工芸館の入り口です。

芹沢介が染色工芸家で人間国宝であることは
おぼろげながら、記憶にありましたが、なぜ東
北のこの地にあるのか気になりました。

調べてみると、息子の芹沢長介が東北大学、
東北福祉大学に勤めていたこと、介自身が、
東北好きで、出身地静岡以外にも、東北の地に
自身のコレクションと作品を展示することを
望んだということがわかりました。

工芸館は1階、5階、6階にあり、仏画は5階に
展示されています。

型紙による染色なので、作品は、あたかも切り絵
や版画のごとくです。

仏画展

釈迦の十大弟子像の立像なので、有名な棟方
志功の「釈迦十大弟子」と形は一見似ている
のですが、やはり芹沢の個性は、棟方のそれ
とはまったく違います。

ただ、作品と同時に4枚の人物等身大の下絵
が展示されており、やはりというべきか、そ
の自由闊達な筆運びは、まさに素描の迫力で
あり、本作品を超える美が感じられます。

版画や、型染めでは、本作品で得られる独特
の美の表現がある一方、画家本人の最初の感
性が失われる気がしました。


<本日の絵>
本日の絵は休みます。

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