黒ベタは和の美ではない?(4)

前回の記事で終了する予定でしたが、現代日本の
黒ベタをもう少し具体例で探したくなりました。
恵比寿、新宿、東京駅でみつけた事例を紹介します。

(1)恵比寿駅、恵比寿ガーデンプレイス。

1)長大な歩道エスカレーターの両脇は、黒ベタの
  広告のオンパレード。入り口の広告。
恵比寿 恵比寿3 恵比寿4 恵比寿5

2)エビスビール記念館の中のはっぴと看板。
  (これは現代でなく、戦前のものですが)
恵比寿6 恵比寿10 恵比寿9 恵比寿8

3)恵比寿駅周辺。飲食店の広告が中心。ビル1棟が
  黒づくめ。

恵比寿12 恵比寿13 恵比寿14 恵比寿15

(2)新宿駅
1)新宿ルミネ:高島屋から小田急新宿駅へルミネを抜ける中、
  目につくなり撮りました。
新宿ルミネ3 新宿ルミネ 新宿ルミネ2 
                                新宿ルミネ5
 新宿ルミネ6 新宿ルミネ7 新宿ルミネ4

(4)東京駅
1)東北新幹線改札口前の本屋横のお土産屋さんの看板。
  最近取り換えたと思われる黒ベタの広告デザイン。
  新幹線ホームの、この間までは赤い看板だったのが、
  全体に黒づくめのデザインに刷新した駅弁屋さん。

                       東京駅 東京駅2

以上、数えるのにいとまがないほどです。

実は、お茶の水駅界隈も探索したのですが、多すぎて省略
します。(中古ギター屋さんが入っている一棟ビルが黒づく
め。お茶美のビルが黒を基調とし、しかも黒地にしゃれた文
字表示もみつけました)

仙台にもどって観察したのですが、有名ブランドの広告が
ほどんど黒ベタであることに気がつきました。(GAP,イブサ
ンローラン、ルイビトンン、フォショーン・・・・)などなど。

スタイリッシュビル、スタイリッシュ店舗、スタイリッシュ広告
の氾濫と海外のブランド広告の黒好み、これらの事例を分
析しなければなりません。(誰も分析しろなどとはいっていま
せんが)
またの機会にご報告します。


<本日の絵>
本日の絵は休みます。

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黒ベタは和の美ではない?(3)

原日本人の黒ベタ好きを見てきましたが、ふと周り
を見ると、現代日本には黒があふれています。

宇野亜喜良のコメントに少しちがうのではないかと
考え始めたのですが、予想外に長い旅になってしま
いました。

日本では、黒はここ数年、いやおそらく10年ぐらい
前からますます好みが強まった気がします。
若者のスーツが黒から始まり、女性の服装もだんだ
ん黒づくめ。

これは私たちスケッチを描くものにとっては、困った
流行です。
現実は真っ黒に塗るのが正しいのに、カラフルに塗っ
てしまうので、嘘をつくことになるからです。
人物の服装をカラフルに塗るたびに、後ろめたい気
持ちになります。

町の様子をみれば、最近のラーメン屋の看板の黒地
たっぷりの看板広告、その店員の黒の装束と頬かむ
りの黒。
さらに、最近の居酒屋、飲食店の看板。

右翼の宣伝カーは流行どころか、昔から黒と決まって
います。(仙台でも、休日には走り回っています。)

話は変わって、お土産に買った、和菓子の紙袋(例え
ば、京都虎屋)、最近のドコモの携帯広告・・・

    虎屋の袋 ドコモ

など、身の回りは、黒地のデザインだらけです。
(続く)


<本日の絵>
マイブック 渋谷行きバス車内
渋谷行きバス車内
教室のある2月12日の午前中、国道246(青山通り)、渋谷に向かうバスの中の人物スケッチです。
三軒茶屋までは人が乗ってくるので大忙しで描き増やしました。
意外に忙しく、楽しいバススケッチでした。

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黒ベタは和の美ではない?(2)

結論から先に言います。

東北における黒地の模様好みは、はるか縄文人の文化
に由来すると(考えたい)。

突飛にきこえるかもしれませんが、日本人のルーツに、
縄文系と弥生系があることはよく知られています。
そして、東北人には、縄文人の顔つきが混ざっている
ことも。

以下、その観点で考えてみたいと思います。

縄文文化は、土器的には、弥生文化に置き換えられまし
たが、人間が一瞬に置き換わったわけではありません。
奈良朝を経て、平安、鎌倉、現代と経るにつれ、縄文人
は、中央政権に追い払われ、日本の南北の端、九州と
東北に追い詰めれます。

中でも、アイヌは東北一円に居住していたのに、ついには
北海道のみになってしまいました。
アイヌは、少なくとも梅原猛によれば、原日本人(縄文)
だとされています。(言語学的には異論があるようですが)

けれど、フリー画像がなかったので、ここではお示しでき
ませんが、アイヌ文様は、黒ベタの文様だらけなのです。
(下の数字をクリックください)

    (図1) (図2) (図3) (図4) (図5)

一方、ここで思い出されるのは北海道とは逆の周辺地、
沖縄です。琉球人も、確か梅原によれば縄文人の末裔で
あると。

興味深いことにその沖縄(琉球)も、黒ベタの宝庫です。
(下の写真)

琉球国 琉球衣装 エイサー
(出典:上野写真、すべてwikimedia commons)

左から、琉球国旗、女性の琉球装束、現代の日本人にも
見なれたエイサーの装束。

いかがでしょうか。原日本人(縄文)の末裔と思われる
人々の黒ベタ好きが現れているように思うのですが。

なお、余談ですが、以上の議論を東北人に引き延ばすと、
ねぶた祭りの文様や、棟方志功の版画のベタ黒につなが
るような気がするのはいいすぎでしょうか。
(続く)


<本日の絵>

京都・八坂神社
八坂神社の建物の色塗り感性。今気が付くと、ここにも、黒ベタ
と金色の模様の組み合わせがありました。
神社の赤はもっと朱の色にしてもよかったのですが、重ね塗りに
疲れました。

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黒ベタは和の美ではない?(1)

前回の記事で、宇野亜喜良の、小村雪岱の絵の「黒ベタ」
は日本独自のものではないという発言を紹介しました。

それに対して、私は、半分冗談で反対したのですが(日本
由来ではないかと)、本日朝から納得できない気持ちがど
うしても湧いてきます。

・黒地に金、赤の着物
・漆器の漆黒に浮き出る絵
・お城、神社建築、おみこしなどの黒地に金色の装飾

など典型的な和模様があるじゃないか・・・などなど。
もう少しよく考える必要があるのではと思うのです。

話は変わりますが、東北に暮らしてから、長らく慣れ親しん
だ東京や関西を中心とする美意識を、無意識に日本全体に
当てはめて見ていたことがよーくわかりました。

仙台に通い始めたころ、東北新幹線の車内のデザイン、特
にシートのデザインにはとても違和感を感じたことを、ブ
ログを始めたころに記事にしました。(今では慣れましたが)

また、昨年訪れた弘前の看板がとてつもなく大きいことを、記
事にしましたが、実はまだ書いていないことがあるのです。

それは、黒を下地とする看板がとても多いということです。
仙台も例外ではありません。

仙台駅内の広場を見渡してみましょう。飾ってある広告を、
写真に撮ったのでご覧ください。

あっというまに黒地の広告を撮影できました。
(まず、はやぶさの広告)
     仙台駅・はやぶさ広告 仙台駅・はやぶさ広告2
 (駅ビル店舗(エスパル)、幅広い黒枠の広告)
    仙台駅・エスパル広告. 仙台駅・広告
  (仙台の飲食店広告)
    仙台駅・広告3 仙台駅・飲食店広告

これをどう考えたらよいのでしょうか。
(続く)


<本日の絵>
F4 ワットマン 登米・佐沼城跡
登米・佐沼城址
めずらしく、現実を離れて色を縫ってみました。必ずしも意識した
のではないのですが、結果として和風の配色となりました。

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驚きの「デッサン入門」(2)

前回の記事では、平山郁夫、前田常作による素描の
線描に対する評語がすばらしいと書きました。

再度取り上げると、以下のようになります。

「燃える線」、「空間に広がる線」、「壁に引かれた線」、
「西と東の鉄線描」、「詩的な琴線」、「ヴィジョンの線」、
「無線の線」、空気まで描いた線」、「線のドラマ」、
「祈りの線」、「匂いの線」

特に、平山郁夫は、自身が線によるスケッチを制作の
原点にしているせいか、線描に関する関心が強く、
表現が的確のように思います。

上で紹介したものに加えて、以下の平山による評語が
続きます。

「決断の線」、「庶民生活を活写する描線」、「無心な線」
「線の束」、「自由な線」、「繊細な筆線」、「天与の線、
「禁欲的な描線」、「手順をつくした線」、「忍耐の線」、
「野生の線」、「大地に根付く線」など。

よくもまあ、いろいろな言い方があるものだと思いますが、
いずれも、古今東西の有名な素描に対しての表現です。

ちなみにレオナルド・ダ・ヴィンチの自画像に対しては、
「線そのものの魅惑」。
レオナルド自画像
(出展:wikimedia commons)

長谷川等伯の松林図屏風に対しては、
「空間に拡がる線」。
長谷川等伯
(出展:wikimedia commons)

この長谷川等伯の絵は、以前実物を見ましたが、
墨一色で、広大な空間が広がり、すごみさえ
感じました。


本日の絵
本日はお休みします。

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