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作品解説(4):<府中・旧甲州街道の土蔵のある風景>線描の描き方

線描(ブログ用)
アルシュ F4 

(1)なぜこの場所を選んだのか?
   府中の大國魂神社付近は都会化が進み、旧甲州街道沿いの戦前
  の街並みの痕跡はほとんど残っていません。それでも、派手な黄
  色の建物の背後に、土蔵が見え隠れしています。
   江戸時代の地割では、街道沿いの間口は狭く、奥に長いのが普通
  ですから、おそらく、土蔵の立っている家が、敷地の前面を売却
  したか、ガソリンスタンドに貸しているのでしょう。
  ガソリンスタンドという現代と、古い土蔵との対比を描こうと、
  この場所を選びました。

(2)どこから描き始めたのか?
   やはり、ガソリンスタンドの大屋根です。左から右へ、線を描く
  と自然にカーブしてしまいます。(実際は、直線です。)建物を線
  描するときには、往々にして自然にそうなるケースが多く、写真の
  ような、定規で引いたような直線にしないほうが、むしろ自然で、
  人間の目で見た感じが伝わります。

(3)遠近法を使ってどのように描いたらよいか?
   この場合、ガソリンスタンドの大屋根と左の壁、隣接するビルと、
  手前の歩道のタイルの線が主な線遠近方による表現になっています。
   デリバリーのスクータの前輪の右当たりが、立ち位置で、目線は
  奥の土蔵の前の壁の高さぐらいになります。その交わったところが
  消失点なので、その消失点に向かうように、それぞれの線を描きま
  す。大屋根の下に細かい間隔で線の模様がありますが、それらすべ
  て、消失点に向かうように線を引きます。
   もちろん、土蔵もすべて線遠近法に従って描きました。

(4)ガソリンスタンドの奥のガラスの壁の描き方
    このガソリンスタンドの奥の壁は、全面ガラス張りになっていま
  そのため、真向いのビルや建物が、映っています。明らかに見える部
  分は、線描で、暗くてはっきりしていない部分は、彩色のときに表現
  します。

(5)人物はどのように描くのか?
    昼下がり時で、あまり人の通行は見られません。ココイチのデリ
  バリーサービスのスクーターがやってきたので、それを入れてみまし
  た。早く通り過ぎるので、スナップ写真を撮って、それを見て描きま
  した。
    
 

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TAG : 都市スケッチ 線スケッチ 府中 攻守街道 土蔵 ガソリンスタンド

<四条木屋町・村上重本店前の路地>線描の描き方

四条木屋町・村上重本店前の路地 318×410㎜
京都村上重本店前路地(線描)(縮小)

今回は <四条木屋町・村上重本店前の路地>を取り上げます。
これまでと同様、各項目別に解説します。

(1)なぜこの場所を選んだのか? 
 村上重本店は、前回とりあげたカフェフランソアの路地の奥に
あり、多くの写真愛好家がその雰囲気を愛して集う場所です。
 通常ならば、村上重本店そのものを描くのが普通ですが、ふと
横を見ると、昭和30年~40年代の古いバーやお店のレトロ感が良
い感じなのを見つけました。
 そこで、正攻法の村上重本店正面を描くのではなく、右端に入
れつつ正面に昭和レトロのお店を正面に描くことにしました。

(2)どこから描き始めたのか?
  線描は、現場で下描きをしないで直接描きます。この場合は、
中心の電柱から描き始めました。これにより、右の村上重本店
の姿、昭和レトロのお店の左側の建物のイメージが決まります。
 電柱を描いたのち、右側の村上重本店の一階の屋根、2階の
屋根の線を引きます。それぞれ、引き始めの点は、電柱の位置
に対してどの位置かを目測して決定します。身体、腕全体で線
を引くので、結果として、屋根の線は直線ではなく、曲線になり
ました。
 次に、遠近法を頭に入れて、線を引くために、自分の目の高さ
の水平線と自分が立っている場所、ここでは電柱の位置に垂直
線を想定します。交わった点が消失点となります。
 そのあと、2階、1階の縦の線を描き、1階の土台を描き、窓
を描いて村上重本店の線描を完成します。2階の線、1階の線の角
度は、上記消失点を意識して遠近法を意識して角度を決めます。
 次に電柱背後、正面の昭和レトロのお店を線描します。線描を
始める点は、電柱との関係で決めます。
 左手前の和風の塀の建物を描いたのち、昭和レトロの左隣の建
物を描きました。

(3)建物はどのように描いたらよいか
 右側の和風建築の線描で描くのが難しいのは、2階屋根の軒下の
木組みと、木製の格子戸です。軒下の木組みについては、左下に
突き出ている木の角棒を立体的に見えるよう線描していきます。
 正面の昭和レトロ建築は、正面描きなので、見えるままに描きま
す。
 昭和レトロ建築の左の建物は、建物の側面が見えるのと、左方向
に路地が続いているので、遠近法を利用して描かなければなりませ
ん。
 すなわち、建物正面から奥の昭和レトロ建築へ向かう、一階、二
階の側面の線と、左側の路地の奥に向かう建物の輪郭です。

(4)人物はどのように描くのか?
 路地を行きかう人物、前回同様観光客がメインです。奥の路地を
行きかうカップルは、その場で、手前に歩いてくる女性は写真を撮
って後から描きました。

 これらの人物を描いた後で、正面の昭和レトロ建物の1階部分と、
路地のタイルを描きました。

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TAG : 都市スケッチ 下描きなし お店スケッチ 京都

作品解説(3):<四条木屋町カフェフランソア前の道路>透明水彩による彩色の方法

解説(2)では、この表題の線描方法を紹介しました。今回、引き続き
この線描を透明水彩絵の具で、どのように塗ったかを解説します。
(彩色作品を以下に示します。)

<四条木屋町カフェフランソア前の道路> アルシュ 全紙 
四条木屋町カフェフランソワ前の路(彩色)(修正)(縮小)

この作品の彩色を開設する前に、水性顔料、耐水性サインペンで
彩色するときの共通の彩色方法を以下にまとめます。

1)どこから塗り始めたらよいか。
   ルールはありませんが、一般に広い面積の場所から塗ると、
  作品全体の仕上がった彩色をイメージしやすい。なお、最初は
  薄めに塗っておく。その理由は、その部分だけ最終仕上げの
  濃さにすると、他の部分もそれに対応した濃さにしなければな
  らず、自分が思っていたのと異なる場合に修正ができなくなる
  からです。

2)どのような色を塗るのか
   線描さえしっかり描写されていれば、極端に言えば、何色を
  塗っても構いません。実物の色そっくりに塗ろうとしがちですが、
  そっくりではなく、自分が心地よいと思う好きな色を選ぶ方が作
  者自身の特徴が出やすくなります。 赤なら赤、緑なら緑でも無
  限の色調があります。描いているうちに、自分が好きな色がわ
  かってきます。それを覚えて次の絵にも使うようにするとよいと
  思います。

3)パレットで絵の具をどの程度溶かしたらよいか。
   パレット上に多めに水をのせ、その上から筆に絵の具を付け
  溶かします。その際、ホーロー製やプラスティックのパレットの
  白が見えなくなる程度に溶かし込みます。
   水の量が少ないと、紙に浸透せず絵の具が紙の上に乗り、
  透明感が失われ、透明水彩絵の具のみずみずしさ、透明感、
  明るさが失われます。

3)好みの色はどのように作るのか。混色してよいのか。
   結論は、混色は可能な限り避けるです。通常の透明水彩
  では、パレット上で混色して好みの色を作ったのち、彩色しま
  す。しかし、その場合、明度が失われ、絵が暗くなったり、時に
  は黒に近くなってしまいます。ペン(線)スケッチの場合は、で
  きるだけパレット上での混色はさけ、塗り重ね方法による彩色
  をします。
   すなわち、一回紙の上で彩色して一旦乾かします。(ドライヤ
  ーを使用) その上から、異なる色を塗ると、暗くならずに色を
  混ぜることができます。このようにすることで、絵全体が透明で
  明るく鮮やかなな画面が出来上がります。

4)どのようにして塗るか
   線をはみ出さずに塗るために最初は線の内側を塗ってから内
  部を塗る順番を繰り返すとよいでしょう。

以上の共通の塗り方をベースに、本作品の具体的な彩色の経過を
解説します。

(1)桜の幹、枝の彩色
   樹木の幹の色は一般に茶色と考えますが、実物の樹木は色ん
  な色を持っています。ここでは、黄色を一度下地に塗り、黄土色
  (イエローオーカー)、茶色を薄く塗り重ねました。特に、幹に

  平行に走る模様を濃く塗ります。さらに全体に緑色を塗り重ねま
  した。
   さらに、桜の木の場合赤い色素があるので、赤紫を茶色の部分、
  枝の一部を最後に塗っています。

(5)サツキ(つつじ?)の植栽。
   一度、黄色(カドミウムイエロー)の下地を塗ってから、緑を
  塗り重ねます。光の当たっている上部は、若草色に、中間は緑、
  さらに陰になる部分は、青または青緑色(ビリジャン)で表します。

(6)建物の壁
   実物の日本の建物やビルの色は原色をほとんど使わないので、難し
  く感じます。ベージュ色を基調に、実物の色と僅かに異なる色で塗り
  分けるか、影の部分を強調することで印象を強めることができます。
   また、建物親ビルの場合、影を強くつけることで立体感が強調され
  ます。

(7)道路のタイル
   道路の多くは、アスファルトが多く、また昔のタイル舗装の場合、
  コンクリートのようなくすんだ灰色であることが多いので、私の場合
  は、グレーを避けていろんな色を塗っています。この場合はビリジャ
  ンの色を使いました。手前を濃く、遠くを薄く(明るく)して遠近感
  を出しています。

(8)空
   ここでは詳しく述べませんが、雲の下の部分を赤紫で陰をつけてい
  ます。

(9)人物
   最近、日本人の服装(特に冬)は、黒一色で、絵画的には見栄えが
  しません。今回、外国人観光客、特に韓国の人々の服装を思い切って
  原色、明るい色にしました。(本当の色よりも強い色に塗っています。)

(10)陰影
   建物や電柱、幹、服装などは陰をつけて立体感を付けましたが、人
  物の影は描いていません。あくまで、それは江戸浮世絵の雰囲気を出
  したいという私の方針なので、真夏の太陽の下なので、影をつけたほ
  うが表現できる場合は、影を描いたほうが効果的になります。
    

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TAG : 京都 近代建築 都市スケッチ ペンスケッチ 透明水彩

作品解説(1):<神戸北野・スターバックス>線描の描き方

教室の生徒さんからよく聞かれる質問には共通性があります。
そこで、このブログの場を借りて、これまで自分が描いた作品を、
その質問ごとに解説していきたいと思います。

(1)なぜこの場所を選んだのか?
  スケッチポイント選びは、描く方の関心により様々ですので、
あくまで私個人の理由を書いてみます。もともと明治以降、都市
の景観を造った戦前の近代建築に関心がありました。それは、
建物の持つ美しさだけでなく、その時代に生きていた人々の生活
まで思いをはせ、その時代から私たちが生きている現代までの
時間のつながりを思うとある種の感慨がわくからです。また、この
北野坂のマクドナルドの建物は、私が生きてきたこの数十年の
間でさえ、阪神大震災による被災、マクドナルドによる修復を経
て今があります。今日の東南アジアからの観光客のメッカになっ
た時代の移り変わりの早さにも注目し、人物も含めて描きたいと
おもったのが理由です。

(2)どこから描き始めたのか?
  線描は、現場で下描きをしないで直接描きます。どの線から
描いたか記憶はあやふやですが、一般には一番手前のものか
ら始めるケースが多いと思います。この場合は、左の建物の縦
の線を上から思い切りよく引き、鉢を入れる編み籠の上部で止
めます。次に主役である、スターバックスの看板のついたドーム
型の屋根を持つ小屋を描きました。(人物を描きいれる部分は
空けて)

(3)遠近法を使ってどのように理解して描いたらよいか?
(この場合は、建物の壁の線、立て看板の形、歩道の敷石など)
 現場描きスケッチの場合に、線遠近法をどのように意識して描
いたらよいかについては、別途項を設けて解説する必要がありま
す。ここでは、私がいつも行っている描き方を書きます。
 「線を描き始める前に、自分の目線の水平線と、立ち位置を
含む縦の直線を思い浮かべます。それぞれの線に対する角度と
位置を推定して、描くとなったらまよわず線を引きます。」
 この絵では、人工物、具体的には建物の線、歩道や道路の線、
看板の線、建物の窓枠や壁の板の線がそれにあたります。一方、
樹木のような自然のものは、少々違っても問題はありません。

(4)樹木の葉はどのように描いているのか?
 この絵には、真ん中に大きな樹木があります。葉っぱは一見
細かく描いているように見えます。実際には、素早く描かないと
いくら時間があっても描くことができません。大事なことは、その
樹木の葉の特徴を捉えて描くことです。また、数多く描く場合、単
調を避けるために、樹冠の中の葉の向きや形の特徴を観察しな
がら素早く描いていきます。

(5)人物はどのように描くのか?
 この絵の主要な人物である女性は、写真を利用して描いてい
ます。いつもは、人物はその場で描くことを原則としており、水彩
紙に人物を描く前に、その場を通る人物をスピードスケッチして、
それを水彩紙に写すか、直接水彩紙に描きます。しかし、その
方法では印象深い人物の姿は描けないケースが多く、その絵に
ふさわしい姿をした人物が通りかかったときに写真を撮影してお
き、それを利用します。この絵の女性は、そのが会いにあたりま
す。
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<神戸・北野のスターバックスコーヒー>(線描) F4 

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TAG : 都市スケッチ 線スケッチ 神戸 近代建築 下描きなし