神戸ぶらりスケッチ会(11月) 神戸・太子道(彩色)

再度山荘へ向かう神戸・太子道の線描の彩色を行ないました。

いかにも戦前を思わせる庭木の芭蕉が印象的で、その背後に
色づき始めた紅葉をみながら歩いたことを今も思い出します。

<本日の絵>
ワットマン F6 神戸・太子道(彩色)
神戸・太子道(彩色)(縮小)

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TAG : 神戸

神戸・東天閣の彩色完成

神戸・東天閣(線描)の彩色を終えましたので<本日の絵>に示します。


<本日の絵>
ウォーターフォード F4 神戸・東天閣(彩色)
神戸・東天閣(彩色)(縮小)

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TAG : 神戸 近代建築

五木寛之著「隠された日本 大阪・京都 宗教都市と前衛都市」(11)

「渡来人を受け入れてきた国際性」
・そうすると(昔から渡来人が渡ってきたこと)、そもそも古代から、
 大阪は日本のなかでもっとも先進的で国際的な都市であって、
 エキゾチックな場所だった、(後略)
・東京一極集中という体制の中で、これから先の大阪はどういう
 ふうに再生していくべき なのか。(中略)
 より多くの外国人を生活者として積極的に受け入れる。そうい
 う人たちに、東京ではありえないくらいのいろいろな自由を認め、
 待遇や保護を与える。

「大阪人のこころの奥にある見えざる深層海流」
・いわば大阪を城下町としてではなく、寺内町として考えるのである。
 同朋意識を持った名もない大勢も「民」が中心になって行う町づくり
 である。(中略)かつての寺内町のような繁栄と活気を復活させるこ
 とが、大阪にとってはおもしろい道になるのではないか。
・大阪は非常に大きな包容力を持つ都市である。(中略)
 私は、大阪という都市はよそ者を受け入れて、これからはもっとそう
 いう人たち(よそ者でも、大阪の文化に浸って活躍している人)の才
 能を開花させていく役割を果たしてほしいと思う。大阪の未来は、そ
 ういうところにっかっているのではないだろうか。


都市スケッチを目的に、関西の街を異邦人の目で歩いて、感じるのは、
巨大な高層ビルを建て、有名ショップを擁する、スタイリッシュなデザ
イン設計の、東京のいたるところで見られるのと同じ景観です。

もちろん、それ自体は現代の大坂の人々のニーズに沿って作られてい
るはずですのでとやかくいうことではありませんが、巨大な資本が日々
投下され、どんどん現代都市景観を変えていく東京に比較して、二番煎
じになることは否めません。

むしろ、五木が指摘したように、東京の文化にはない寺内町の深層海流
を活かしていないことが、なんとしてももったいないことです。

おそらく、肝心の大阪の人々が自分たちの特徴、強みがどこにルーツが
あるのかをきちんと理解していないところにあるのではないでしょうか。

むしろ、最近訪れる海外の観光客の方が気づきだしているのではないで
しょうか。関西の強みは、京都・奈良の寺社建築、庭園などの歴史遺産
だけではないと。
(終わり)

<本日の絵>
マイブック 人物(阪急神戸線)
人物スケッチ(JR京都線)874

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五木寛之著「隠された日本 大阪・京都 宗教都市と前衛都市」(10)

「近松心中物と「南無阿弥陀仏」
・近松は『曽根崎心中』以外にも、『心中天網島』『今宮の
 心中』『心中宵庚申』など、多数の心中物を書いている。
(中略)
 じつはその中に「南無阿弥陀仏」とか「なんまんだぶ」と
 か「なまいだ」という念仏の言葉が頻繁に出てくる。(中略)
 編集者が数えたところ、(中略)『曽根崎心中』には八回、
 『今宮の心中』には六回、『心中天網島』にはなんと二十五
 回も出てくるそうだ。(中略)これは、江戸時代の大阪の町
 人たちのあいだに、いかに真宗の信仰が根づいていたか、と
 いう証明になるだろう。


以上、五木寛之の大阪にかんする主要部分を引用しました。

なぜ、長々と引用したのか、それは本来、私自身が気づき、分析
すべきテーマでしたが、あらためて必要がないほど深く考察され、
納得する部分が多かったからです。

この著書が最初に書かれたのは、2001年6月に発行された単行
本です。それから、すでに16年経ていますが、今日、海外の観光
客で大賑わいで一番人気の大阪の姿を予想したかのように「大
坂は国際都市だ」と延べ、また、最終章で今後の大阪にあり方に
関する提言を行っています。

次の記事で、それを引用して本シリーズ記事を終わります。
(続く)

<本日の絵>
マイブック 人物スケッチ(阪神神戸線)
人物スケッチ(JR京都線)875

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五木寛之著「隠された日本 大阪・京都 宗教都市と前衛都市」(9)

「「他力」の光に照らされて」
・大阪の人びとの暮らしや商業のありかた、あるいは市民生活のマナー
 などの背後には、石山本願寺以来、連綿としてつづいてきた「情(こ
 ころ)」というものがある。
 とりわけ働くことを大事にする、商売を蔑まない、あるいは合理的な
 ことを大事にするということは、蓮如という人の感情や気持ちを大事
 にしている、といってもいいだろう。
・「本願他力」というのは、向こうから与えてくださる、(中略)とい
 う考え方だ。(中略)大阪の人たちが、神仏の加護を頼まないと決意
 している人や、自分でやるしかないと思っている人が多いということ
 は、ある意味では、目に見えない大きな他力の光に照らされている、
 ということではないだろうか。


「「一寸先は闇」は仏教の根本思想である。」
・これは「いろはがるた」にもなっていることわざだが、おもしろいこ
 とに、東京の方では「犬も歩けば棒に当たる」、名古屋では「一を聞
 いて十を知る」、それに対して、大阪を含む関西では「一寸先は闇」
 なのだという。
・蓮如が書いた「御文」あるいは「御文章」と呼ばれると門徒への手紙
 は、現在二百五十通以上伝わっているが、そのなかに有名な「白骨の
 御文章」というものがある。(中略)
 こうしてみると、大阪人のこころにある「一寸先は闇」という感覚は、
 蓮如の「白骨の御文章」そのものではないか。


「大阪文学に<西鶴系>と<近松系>の二つの系譜}
・特に、大阪商人像については完全にステレオタイプ化されていて、「
 利にさとく、ケチで、抜け目がなく、利益第一主義」というものだ。
(中略)むしろ、江戸時代の商人たちは、信用第一に筋を立てて行動し、
 利益については細かくこころを配り、正しく儲け、「天下の台所」を支
 える自負に満ちていたという。


(続く)

<本日の絵>
マイブック 人物スケッチ(阪急京都線)
人物スケッチ(阪急京都線)863

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