線描の言語表現:「松本竣介 線と言葉」(平凡社、2012)より(3)

歩いてゐて好ましい建物にうちあたることは日常の習慣になってゐる。
その時僕は荒々しい数本の線でその建物を失敬してくるだらう。


真白な地の上に黒い線を一日引ひてゐるだけで、僕の空虚な精神は満
足する。


<本日の絵>に示した1930年代の明るい青や緑の色調から、戦時下に
かけて内省的な暗い色調に変化していきますが、都会の建物や人物の
線描を捨てなかった松本の気持ちがよく表れています。
(終り)

<本日の絵>
松本竣介 郊外 1937
MatsumotoShunsuke_Suburban_Landscape_1938(縮小)

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線描の言語表現:「松本竣介 線と言葉」(平凡社、2012)より(2)

「なにが聞こえてくるのかは、誰にもわからない-松本竣介のこと」
(堀江敏行)の文章の中で、引用されている松本自身の言葉を以下に
 孫引きします。

あれから十年たつ此頃の僕の絵には針金のやうな黒い線がのさばり
かへってゐる。考へてみると線は僕の気質なのだ。子供の時からだっ
た。それを長い間意識できず、何となく線といふものに魅力を感じな
がら油絵を描いてゐた処に僕の仕事の甘さがあった。今にしてそれら
のことがいろいろ思ひ当たるのだが。
モヂリアニが好きになったのも理由の一つは、量を端的に握んでゐる
天下一品の線の秘密にあった。線は僕のメフィストテレスなのだが、
気が付かずにゐる間僕は何もできなかった。この無意識を意識の上に
引き上げる為に僕はどんなに混乱してゐるかしらない。このメフィス
トテレスが僕から出ていつて変な悪戯をしたのがあのころのことであ
る。(一九三九年十一月、「石田新一追悼誌」)


松本のモヂリアニの影響を受けた初期の油彩から独自の絵への変遷を
みないと、上の言葉は理解しにくいのですが、この記事では引用する
にとどめます。

ただ、作家自身の言葉は学者や評論家の言葉と違って、実感がこもっ
ていると感じます。
(続く)

<本日の絵>」
松本竣介 スケッチ ニコライ堂
MatsumotoShunsuke_Sketch_Nikolai_Cathedral(A)(縮小)
(出典:wikimedia commons)

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線描の言語表現:「松本竣介 線と言葉」(平凡社、2012)より(1)

「線スケッチ」は、線描の表情や表現方法が絵の要となります。
以前から、線描に関する言語表現について目にふれた折に書き
留めていました。

いつかまとめて記事にしたいと思っていたのですが、なかなか
まとまりません。これまでは断片的に紹介してきたかと思いま
すが、まとめようとするからいけないのであって、目にとまっ
たら都度記事にしていけばよいという気持ちになりました。

今回は、表題の本の中で、編集者が松本松本竣介が著した文章
の中から線に関する表現を引用していたので、紹介いたします。

なお、松本竣介については、2013年にシリーズで「生誕100年」
の展覧会訪問記を記事にしていますので、ご興味あればご覧くだ
さい。

「生誕100年 松本竣介展」訪問記(1)→ココをクリック
「生誕100年 松本竣介展」訪問記(2)→ココをクリック
「生誕100年 松本竣介展」訪問記(3)→ココをクリック
「生誕100年 松本竣介展」訪問記(4)→ココをクリック
「生誕100年 松本竣介展」訪問記(5)→ココをクリック
「生誕100年 松本竣介展」訪問記(6)→ココをクリック
「生誕100年 松本竣介展」訪問記(7)→ココをクリック
(続く)

<本日の絵>
松本竣介 油彩 立てる像 1942
800px-Matsumoto_selbst_stehend(縮小)
(出典:wikimedia commons)

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神戸ぶらりスケッチ会(H28年10月) 東遊園地の蓮池(彩色)

だいぶ前に線描をご紹介しました。

蓮池の水面と公園の植物の彩色に手間取りましたが、やっと
彩色を終えました。(<本日の絵>)

<本日の絵>
ワットマン F6 神戸・東遊園地(彩色)
神戸・東遊園地(彩色)(縮小)

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人物スケッチ(サイゼリヤ梅田OSホテル店)

前回と同じく、梅田のスケッチ教室開始の前にたびたび利用する
サイゼリヤ店内のスケッチです。

サイゼリヤの良いところは、値段がリーズナブルなこともありま
すが、長居しても(かってに感じているのですが)いやな顔をさ
れないので、教室の事前準備もできることです。(もちろん混ん
でいるときは礼儀として早めに退出します。)

お昼どきにいろんな人が出入りする姿を観察するのも退屈せずす
ごせます。

<本日の絵>
マイブック 人物スケッチ(サイゼリヤ梅田OSホテル店)
人物スケッチ(梅田サイゼリヤ)156(縮小)

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